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#2 英語圏の歴史学習

<前日のブログに続きます>
歴史の面白さに引きずりこまれた生徒たちは、当然のことながら、先生の提案に対して反応するようになります。先生は生徒たちに意見を求めます。どんな意見であっても否定することはありません。そして、他の生徒にも意見を求めます。時として、生徒同士で議論となります。それをうまく取りまとめるのが先生の役割です。
仮説もありです。もし、核戦争が起こってしまったら、地球に未曾有の大きな小惑星が衝突したらなどは、理科、科学の分野の課題かもしれませんが、要するに生徒に考えさせる、調べさせる、そして次に進ませるという「やる気」を起こさせることが、先生が常に考えていることに違いありません。
カナダのボーディングスクールで私が参観した10年生の授業では、原子爆弾についての調査と発表をしていました。もとになる本があるのですが、その本の各部を生徒ひとり一人が担当して、より詳しいリサーチを行い、それを発表するという授業でした。これは、仮説ではありませんが、いろいろと考えさせられるテーマでることは間違えありません。
仮説を立てた授業にしても、リサーチが中心であっても、そして多くのディスカッションがあっても、歴史の授業に共通しているのは、自分自身の見解を持つということであって、事件の要点の丸暗記ではありません。
このように日本と全く違った方法でボーディングスクールの授業は進んでいきます。歴史、社会、国語(英語)、の分野はリベラルアーツ(教養)では中心をなすものです。その教室の構成は、多くのボーディングスクールで先生と生徒、また生徒同士がすべてお互いの顔を見て話せるように楕円形の大きな1枚テーブルが使われています。
先生はクラスの生徒全員に話しかけるわけですが、全員と言っても多くて15人、少なければ10名前後のクラスですから、ひとりの発言時間が多くても授業になります。それがボーディングスクールの授業の基本です。
先生が教科書を中心として講義し、「これは試験に出るから、覚えておくように」という日本式授業とは異種異質なものと言えるでしょう。
英語圏のボーディングスクールの授業と日本式授業、どちらがいいか、悪いかということではなく、どちらが自分にあっているかという視点で考えるとわかりやすいと思います。授業という生徒たちにとって学校生活の中心の「場」で彼らが自分の持っている力を存分に発揮できればそれがベストと思います。

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