留学コンシェルジュ

★教育 多様性への対応

海外にいるときに、日本の教育について書かれた本を読んで感じるのは、「理想と現実」のかなり大きな、埋まりようのないギャップです。生徒の学力を上げるために、「文科省」の対策、「有識者による答申」などで、一冊の本になります。大雑把にいえば、「ゆとり教育によって、日本の子どもたちが勉強しなく、あるいはできなくなった。行政がもたらした、教育の失敗は大きい。教育とは・・・」と続いていきます。
次に、欧米の教育対応や試みが紹介され、それを日本の教育施策と比較して、日本も早急な対策対応が求められるという結論になります。
これからの教育に必要なものは、「生きる力」、「問題解決能力」などと誰もが理解していると思いますが、それを初等、中等、高等教育の中で具体的に実現していくとなると、そのイメージが私にはできません。
そもそも、生きる力も問題解決力も教室内で教えられるものではないと私は思っています。子どもたちが、困難に直面したときに、そこから逃げずに問題を解決することで、生きる力も問題解決力も少しずつ彼らの精神の血となり、肉となっていきます。それが子どもたちの人間的な成長ですが、それが教育の世界で達成できていれば、日本のバブル経済の崩壊はなかったに違いありません。
19日のブログで私はOjai Valley Schoolの72歳になる現役英語教師、ミスウィルソンについて述べましたが、その目的は、これからボーディングスクールへの留学を考えている人たちに、海外の教育機関の多様性を紹介するためです。しかしながら、どれだけ英語がわからず、海外の文化習慣もない日本人留学生が、アメリカボーディングスクールの多様性を享受できるかを、初めから約束できるほど、私は楽天的ではありません。
「教育は与えられるもの」と私は思いません。生きる力も問題解決力も決して与えられるものではないと思います。それらを知識として、あるいは合理的なシステムとして学習するための「教育」という方針は、必ず絵に描いた餅になると私は思います。
教育とは、やる気を呼び起こすものであると思います。やる気がいつ、どのような状況で、どこで生み出されるかは、人によって異なります。やる気の起こる確率をなるべく高めるのが、よい教育であり、よい教育者であると思います。そして、教育の多くの部分が、知識として定着させる、すなわち「暗記」の必要があることも事実です。その面白くもない単調な仕事を上手に子どもたちにやらせることができるかどうか、先生や学校という組織全体の技量にかかる問題であると思います。
つづく

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