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<前日のブログに続きます>
試験の点数でおおよそのことが決められる日本の中等教育において、先日のブログの最後に紹介した親のわが子への具体的な不満を解消するために、私は教育の選択肢を海外に求めることを提案しました。私が最も強調したいことは、子どもを評価する物差しの複数化ということです。それが、近年重視されつつあるところの多様性や個性の尊重ということになります。
多様性や個性を教育に反映させるためには、そのための施設、人員、そして準備が必要になります。具体的には、ひとクラスの人数は理想的には10人から15人くらいとなるでしょう。今までのひとクラス30名から40名の人員では、ディスカッションが実質的にできません。それでは、文学や歴史を学ぶ時に「なぜ」を追求するのにとても不便です。また、生徒ひとり一人の意見を聞き、それを皆で話し合い、反論も含めて、皆が納得できる結論を出すためには、クラスに参加することが重要になりますが、そもそも、そのような少人数クラスで行われる授業では、正解を先生が解説するということではありません。
多様性や個性を重視するということは、必ずしもテストの点数に直接反映しないかもしれません。しかし、そうすることで、子どもたちのやる気や好奇心は刺激され、ひいては学力向上につながると思います。
多様性と個性尊重は、体育の分野においても大きな変革をもたらすと思います。スポーツのための施設の充実、生徒の怪我や故障への対応、スポーツを通じて学ぶことのできる精神の教育などが、より重視されるでしょう。多様性や個性という視点から、体育教育を考えてみると、健全な体と精神を作るために、生徒に提供すべきことは、レギュラーメンバーになるための方法論のみではないはずです。補欠は試合に出られず、いくら努力をしても、レギュラーにはなれないとしたら、それは生徒にとって健全な体育教育と言えないのではないかと思います。
レギュラーなれても、なれなくても、そのスポーツを愛するあるいは、興味があるそのこころに分け隔てはありません。また、レギュラーの選手がそのスポーツでプロとしてやっていくわけでもありません。教育という観点からスポーツを考えれば、それに参加するすべての生徒が楽しいと感じられ、夢中になって取り組める環境を提供すべきと私は思います。そうすることで、生徒はそれなりに、スポーツを通じて、プライドや努力することの大切さ、やればできるという精神を学びます。
日本の中学高校のクラス人数やスポーツ活動の在り方をドラスティックに変えることは現在の教育システムのなかではとても大変なことであると思うのです。ですから、既存の教育概念を簡単に変える方法は、日本ではなく、海外に求められてもいいと私は思っています。
(つづく)

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