★ボーディングスクール留学 留学適齢期3
<前日のブログに続きます>
日本では前期中等教育にあたる中学校までを義務教育としていますが、英語圏の国々ではいずれも義務教育は16歳まで、日本で言うと高校一年までとしています。留学とは直接関係ないことですが、日本と英語圏では、義務教育年齢が1年間違います。
余談になりますが、ニュージーランドのカレッジ(高校の呼び名)では、16歳の誕生日を迎えると義務教育期間が終了しますから、その時点で仕事に就く生徒も多いそうです。高校2年生のことをニュージーランドではYear12、あるいはレベル2と言います。レベル1で一緒に勉強していた生徒が、ある日からぽつんと学校に来なくなる。「あれ、-君(さん)は、どうしたの」とキューイー(地元の生徒の俗称)の友だちに聞くと、「彼は家の農場で仕事をしてるよ」などは、現地生徒にとっては珍しいことではないそうです。余談、終わります。
義務教育制度は英語圏の国ではどこでもある共通概念ですが、そこで学ばれる知識は時代の流れとともに変化していいと思います。
初等教育(小学校)時代、とくに小学校4年生までは、私は子どもにとって家庭というホームベースは不可欠の要素であり、親と一緒に暮らすことが、教育的配慮からも大切なことと私は思っています。学校でどんな学習が行われていても、子どもたちの持っているいろいろなことに対する好奇心、関心、興味といったことは、学校だけではとても吸収できることではありません。それらを、発見し、育て、伸ばすには、家庭という環境が必要です。
日本では、明確に小学校、中学校、高校、大学を区別しますが、英語圏の国々では、その区別は明確ではありません。特にニュージーランドでは、中学校はミドルスクールと呼ばれ、2年間しかありません。人口密度の少ない田舎では、ミドルスクールを独立して運営するには生徒の数が足りないので、小学校から高校まで公立でも一貫して教育を行うのは珍しいことではありません。
その様な英語圏教育事情をふまえて、子どもたちが親元を離れ、精神的に自立して、自己判断、自己責任を生活のなかで実践しうる年齢と、頭が柔軟で好奇心も旺盛な時期とのバランスは、小学校6年生から中学生くらいではないかと私は思います。高校生になると、自己が日本の文化のなかで確立する時期になります。すなわち、明らかに人の目を意識するようになり、自分の置かれている立場やそのグループに対して、どのように振舞うかをしっかり計算して行動するようになります。全く新しい異文化という環境に対する適応する時間も小学6年から中学1年くらいの生徒よりもはるかに時間がかかると思います。
(つづく)