NZ留学 ホームステイでのトラブルその3 ホストマザーと合わない
中学から高校にかけて、中等教育を終える目的で留学した場合、多くの場合、最初の半年間で留学の大勢が決まると考えていいと思います。最初の三か月余りは適応(アジャスティング)期間ですから、本人も親もなにかと感情的になる場合もありますし、先が見えない不安から、マイナス思考に陥ることもあります。
アジャスティングの期間こそ、お母さんの力がいかんなく発揮される時です。
さて、ホームステイという長期家庭滞在を通じて、留学の目的を達成するまでには、いつくかの乗り越えなければならない障壁がありますが、表題の「ホストマザーと合わない」というのはなかなかやっかいな問題です。
この問題を解決するためのチェックリストは以下のようになります。
□ まずホストマザー自身に自分の考え方、生活の主たる方法を伝える
□ その項目のずれをお互いにチェックする
□ チェックされた項目について話し合う
□ 折り合いをつける
□ 折り合いがつけば、新たな良い関係を作る。
□ 折り合いがつかなければ、ホームステイコーディネーターと相談する
ホストマザーの性格を変えることは不可能に等しいことです。問題を解決するためには、「自分が変わる」か「場所を変える」しかありません。自分が変われるという意欲が留学生にある場合、ホストマザーとの関係は本人の英語力や文化適応力が増すとともに改善されていくといっていいと思います。しかし、ホストマザー、あるいはホストファミリーが留学生に興味がなく、下宿屋と化していて、食事、生活習慣に異常があるときは、その事実をホームステイコーディネーターに正確に伝える必要があります。
家庭を切り盛りする中心人物がいい加減すぎたり、お金に対してフェアーでなかったりする場合は、かならず状況をメモして、それをホームステイコーディネーターに伝えるのです。たとえば、夜の食事がいつも冷凍食品で電子レンジで温めるだけ、洗濯は週に一度のみで、洗濯ものが乱雑に積まれている、人の食べ残しをそのままペットに与える、留学生に過剰の家事を押し付ける、土日の配慮が全くない、要求が多い割にはほめられないなど、一か月もかからずにホストファミリーの性格は、英語が話せる、話せないにかかわらず、留学生にも感じ取れると思います。
前述のチェックリストは留学生の異文化チャレンジとして英語力如何にかかわらず、ある程度までは達成できることがらであると思います。大切なのは、出来不出来にかかわらず、まずやってみることであり、それを繰り返していくうちに、自分の意見を相手に伝えるということが自然であるという感覚を理解することです。この感覚が身につかない限り、「英語力」を次のステップに引き上げることは難しいと思います。そして、ホストファミリーと「家族の一員」という関係を作るためにも、自分を相手に伝える努力は留学生の基本概念といえると思います。