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#3 アメリカの大学 ― 日米教育文化比較

アメリカの教育が一貫して生徒と学生の能動的態度を追求するのに対して、日本の教育は、建前ではそのような主張を行いながら現実は、アメリカに比べてかなり受動的のように思います。もちろん、世の中はバランスによって成り立っていますから、能動と受動、どちらが真でどちらが偽ということではありません。
教育の頂点にある大学で日米を比較すると、学ぶということについては、明らかにアメリカのほうが真摯であり、仕事や社会と学校がより密接に連携しているように思います。実用的な学習や技術の習得ということにおいては、大学のみならず高校や中学という中等教育段階からその流れは発生していると思います。
日本では、高校がそのまま大学にはなり得ないと思いますが、アメリカではテンスクールズなどは、いつでも大学に昇格できる施設、教師陣、そしてカリキュラムを持っていると思います。以前にブログで紹介したことがありますが、テンスクールズの一つであるエクセター(Philips Academy, Exeter)は、400以上のクラスを生徒が選択できるようになっています。
そこには、「試験に出る勉強」という概念はそもそも存在しないと思います。生徒ひとり一人が自分は何が得意で、何をより深く勉強すれば楽しいか、興味が持てるか、意欲が湧くかなどと考えて、「自分で」クラスを決めていくわけです。エクセターだけではなく、規模の違いはあるもののボーディングスクールでは本来、そのような教育が行われています。
日本の中学、高校では科目の選択という点では、アメリカに大きく差をつけられていることは間違えありません。そのような差異を理解せずにアメリカの大学で学べば、日本からの留学生はカルチャーショックを起こすことは当たり前のように思います。
半世紀ほど前は、留学というと選ばれた人が行えたいわば特権的なことだったのかもしれません。選ばれた人たちは。かなりのプレッシャーのなか、教育環境が全く違うところでゼロからスタートして数年間で結果を出すのですから、かなり優秀だったと思います。
留学が一般的になった今日、大学への留学はその教育文化の基礎的理解がないままに実行されれば、それを理解して、体得するまでの時間と労力は相当なものになるでしょう。
その意味でも、中学、高校時代の留学というのは、とても意義深いものと思います。

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