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ボーディングスクール-転校について

12月、クリスマスを目前に控え、北半球の一学期(前期)がほぼ終了します。そして、ほとんどの留学生が故郷に帰ります。サマースクールから9月の新学期を迎え、初期の学校生活での不自由さからやっと解放され、生活に困らない程度の英語力と生活のための知識が身につく時期です。少しづつ、寮生活という異文化社会に物理的、精神的に順応するにつれて、自分のこころの視野も広くなります。
帰国した留学生との話題の一つに転校があります。転校の理由は、人間関係と学業に大別することができます。
「人間関係がうまくいかない」、これは多くの場合が、日本人同士のそれになります。現地生徒との人間関係は、この時期、まだ確立するに至っていません。言葉が不自由ですから、彼らと一般常識的情報が共有できないため、話が合わないというよりも、話が成り立たないと言っていいと思います。必然的に、生活での困りごとや情報源は日本人からということになります。ランチもスタディーホール後の自由時間も日本人と「つるんでいる」状況が、お互いに不自然でなければ問題ありませんが、一方が、あるいはグループのなかの一人が、「毎日、日本にいるような生活」に疑問を持ち始めると、その「日本人の輪」から抜ける作業が以外と大変になり、「いっそ転校」となるわけです。
学業不振あるいは、学校に対する疑問も留学してから半年くらいの間に出そろうといっていいと思います。本人の努力とその結果が、学校の先生が期待するものと大きく食い違っている場合に「やる気」を問われるという状況です。テストの点数、授業態度、宿題提出率とその内容で本人の成績が出るわけですが、努力が妥当である場合は、テストの成績が悪くても、ぎりぎりの及第点を先生は考え出してくれます。
学業不振を指摘される生徒は、必ずといっていいほど、先生から、「もっと質問に来てほしい」といろいろな場面で指摘されます。「何を質問していいか解らない」というのが生徒側の本音です。それは彼らが日本での学習習慣からボーディングスクールの学習習慣に変化するために、必ず起こりうることです。先生も留学生への対応には、慣れていますから、それぞれの生徒の学習的力量以上の要求を、本人の置かれている立場を無視してすることはまれといってよいと思います。宿題は必ず出す、時間の使い方を工夫する、誤解を受けるような言動や行動をしないなど、本人ができることからの改善を粘り強く進めてゆくことが、不振を解消するカギになります。

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