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日曜コラム ある八百屋さんの存亡

私の住んでいる地域はテレビでも紹介されるほどの
スーパーマーケット銀座です。
店の屋上を駐車場とする大きなスーパーが家から徒歩10分
圏内に4つあり、コンビニの5倍規模くらいのものも入れると8軒あります。
1カ月ほど前に、畑の中にベルクという大型スーパーが建てられました。
スーパー同士の熾烈な競争がさらに激化したわけですが、
家内によると、ベルク以外のスーパーの客足が減ったとは感じないそうです。
家からもっとも近い大きなスーパーの隣に2件の小さな八百屋さんがあります。
家内は良くそこで野菜を買います。
その時に、店のおじさんとちょっとした会話をします。
昨年末、実家に帰る際の仏壇への供え物として、蜜柑を買ったのですが、
おじさんは「この蜜柑、甘いよ、ちょっと食べてみて、
他のと比べてみなよ」といって、段ボール箱をバリっと開いて、
蜜柑を一つ試食させてくれました。
確かに、店頭ばら売りよりも甘く、「そうね、これにするわ」と
私たちは箱入り蜜柑を買いました。
人参、大根、シイタケ、トマト、しそ、里芋、牛蒡、山芋、茗荷などなど、
スーパーでも当然売っているのですが、
値段もほとんど同じで、「売る人の心意気」が感じられる八百屋さんは
小さいながら「ジャイアントにも対抗できるのだなぁ」と私は、
人のこころの在り方の大切さを痛感しました。
さて、その小さな八百屋さんがベルクができてからというもの、
休みがちになり、元気がありません。
家内に聞くと、「最近行かない」と言います。
「どうして」と聞き返すと、
おじさんが世間に対して文句ばかり言い、
以前にはなかった、「1個の方は、袋の使用は控えさせていただきます」
など、野菜そのものよりも、おじさんの意識がすっかりネガティブだと
言うのです。
震災、原発、政府の対応、猛暑などで、これからが心配なのは、
皆、共通していると思います。
その一方で、もうひとつの八百屋さんは、相変わらず元気なのです。
おじさん夫婦だけで、やっているのですが、
以前と変わらない品そろえで、八百屋さん独特の値段の札の赤い文字に
勢いがあるといった感じです。
ある本に、「組織は内部から崩壊する」と書いてありましたが、
組織ならずとも、人にもこの原理は当てはまるのではないかと
私は思います。
外部で起こっていることをどう捉えるかが問題なのだと思います。
少なくとも、「外部」は自分では到底変えることができません。
変えられるのは「内部」、すなわち自分だけだと思います。
八百屋のおじさんが、本来の彼にもどり、
元気でプラス思考で、世相を斬ってくれることを
願ってやみません。

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