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留学物語-父は東大ぼくはニュージーランドその11 留学スタート

(その10 6月25日掲載)
ニュージーランドの高校は、日本の社会や大人たちが作るシステムに意気消沈していたぼくの心を元気にしてくれる要素をたくさん含んでいた。日本の高校生はX軸に成績、Y軸に理系、文系をとると自分の行く大学はほぼ決定できる。自分がなぜ、志望校をめざし、そこで何を勉強するということはカレッジカウンセラーに話す必要などない。そもそも、カレッジカウンセラーという専門職は日本の学校にはない。すべては組を受け持つ教師がその任にあたる。日本の先生たちは本当に忙しいのだと思う。海外に比べるとクラスの学生数はざっと倍、学生たちの生活面、学習面、スポーツなど活動面ですべてを担当しないといけない。
ニュージーランドの生徒にはX軸もY軸もない。自分のやりたいこと、そしてやらなければいけないことを中心に彼らは動いていた。ニュージーランドでは最終学年に達するとかなりの生徒が高校を去る。クラスの人数が半減する。なぜかと尋ねたら、就職、専門学校など自分の道を歩むのだという。18歳くらいで一人暮らしは当たり前だという。学歴への執着もなく、18歳で大人の仲間入りをして、自活することを平然と受け入れるこの国の若者がぼくにはショックだった。彼らは明るい。羊の毛を刈る仕事をしている18歳なども珍しくはない。ワイナリーで働くやつ、ソムリエ志望、ウェイター・ウェイトレス志望のやつ、車の修理工、みなからっとした地中海性気候に似たニュージーランドで生き生きとしている。ニュージーランド製の車、コンピュータ、電化製品などはない。それでも、世界で生き残り、彼らの心は陽気だし、温かい。
ニュージーランドではいじめや不登校という問題の捕らえ方が日本とは全く違っていた。すくなくとも、集団で特定の学生を無視したり、言葉の暴力を浴びせたりという光景はなかった。個人の問題として、精神的に病んでいる生徒や、いわゆるいじめっ子タイプのやつにちょっかいを出されている生徒はいた。いじめについて学校に規則があり、いじめを行った生徒に対する罰は緩くはない。停学、謹慎処分などはっきりとしていて、いじめをうやむやにはしない。集団で先生を無視したり、逆らったりはありえないことなので学級崩壊ということもない。少なくとも、先生に対するレスペクト(敬意)ということがはっきりしていた。
ぼくはニュージーランドにきてよかったと思った。日本にずっといたら、果たしてどうなっていたかを想像するだけで身震いしてしまう。たかだか、自分が通った高校のやり方が気に食わないだけなのに、えらそうに日本を嫌いだとまでイメージを膨らましていた自分がすごく小さく思えてきた。本当は遊びたいという本音があり、日本の半ば強制的な高校のやり方を否定しまくり、その反発エネルギーをうまく利用して奔放に遊んでいた自分を見直すきっかけは親元から7000キロ以上も離れたこの地で得られた。(つづく)

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