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日曜コラム: 「若い人は大変だねぇ」

私がまだ小学生のころ、氷室を営んでいた祖母の家には「若い衆」が
いつも何人かいて、いろいろなところに氷を配達していました。
まだ、一般家庭に冷蔵庫がなく、電話番号は3桁。
一般家庭でも氷を使っていました。
氷の需要があり、配達人が仕事として成り立っていたようです。
家の前の道路は舗装されていなく、氷屋は町に3軒。
戦後の混沌から抜け出して、高度成長に世の中が向かいつつあるときでした。
町の経済を支えると言っていい大きな工場が2つあり、
そのうちのひとつで私の父は働いていました。
ご縁があり、父の下で働くことになった頭のよい人が私に勉強を
教えてくれることになり、勉強嫌いだった私ですが、
次第に成績はよくなってゆきました。
おばあちゃん子だった私は、週末になると歩いて
10分ほどの祖母の家に行っていました。
ある時、私が宿題をやっていると、
若い衆の一人が、「かつあき(私の名前)は、勉強か。
今の若い子は大変だねぇ、おれたちがちいせえころは、本なんざぁ、
開いたこともなかったよな」と言いました。
さて、時がたち、現代。当時の若い衆の一人だったおじさんは65歳の若さで、
心筋梗塞で他界し、蹴球(サッカー)、柔道などが得意で、
私の母によると喧嘩っ早かったおじは、孫の世話に余念がありません。
私はカウンセリングで現代の子どもたちの塾、学校の宿題、習い事など
過密なスケジュールのなかですごす現実を耳にするたび、
「若い人はたいへんだねぇ」とこころのなかで思います。
たいへんの本質とは何かと思います。
私が勉強をしているのを見てたいへんだと言ったおじさんたちは、
「勉強」が嫌いだったに違いありません。
今も昔も確かに勉強が好きという子どもの数は多くはありません。
私自身のことを考えてみてもいわゆる勉強が
好きになったのは30歳を過ぎてからでした。
小学校の時の勉強はいわば受け身の産物であり、中学高校時代、
英語だけは得意だから好きであり、大学時代はそれに疑問を持ち、
留学して異文化体験が生かせることを仕事にしたいと思いましたが、
勉強全般に対する興味というのはそれほどまでには感じませんでした。
社会に出るということは、そのシステムのなかで、自分の役割を探し、
それを全うすることだと思います。その準備のために人は勉強するのだと思います。
世の中が進歩するにつれ、準備段階が細分化され、役割分担も綿密になり、
ハード面、ソフト面とも世界規模での最適化が行われつつあります。
だから常に若い世代が負う負担は前の世代から見ると
たいへんに思えるのかもしれません。
そのような時に思うこと、若い人も年寄りも共通して、
たいへんだけど力を合わせてやって行こうと感じること、
その中心に生きることへの意思があるのではないでしょうか。
やらされているという意識が、「やって行こう」に変わる時、
希望が生まれると思います。
留学を目指す皆さん、留学は「たいへん」です。
そして、それを克服するとき「たいへん」は「すばらしい」に変わります。
簡単ではないことですが、少しでも「すばらしい」へ変換する手伝いが
私にできればと思います。

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