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寮生活の応用編-自己主張について2

前述、男女の例で私が明らかにしたかったのは、二人の育ってきた背景の違いです。男子は特に自分の意見がなくても、与えられた学習を消化していればそれで問題はなかった。女子の場合は、与えられた学習よりも自分の好きなことに対する興味や志向性が高い。二人とも自分が進んできたやり方に特に疑問を持つこともなかった。
前述の男子は留学してまもなくカルチャーショックに見舞われます。ボーディングスクールというよりも英語圏文化の中で「なぜ」「どうして」と突っ込まれるので、理由の説明にまったく不慣れな彼は英語力不足を理由に落ち込み、ふさぎがちになってしまいます。
女子は英語がそれほどはできなかったのですが、解らなくて困ったときは「笑ってごまかす」のだそうです。しかし、日本で5W1Hへの対応は徹底的に訓練しました。本人も意欲的に取り組みました。YES、NOで答える場合、理由を問われる場合、程度を問われる場合とその答え方などなど、ドリル形式で訓練をくりかえしました。それ以外の学習、たとえばスピーチやエッセイの書き方などは5W1H対応よりのんびりしていて、「英語がわからないから留学するんです」と胸を張って答えていました。
彼女は渡米し、持ち前の楽天性、素直さと明るさで受け答えを繰り返して行っているうちに、「YES」と「NO」の英語的使い分けが出来るようになりました。
You didn’t go to the movie yesterday?との問いにYes, I didと自然に答えられる。そうです、英語のYESとNOは言葉に対してではなく、事実をもとに考えればよいと気づいたのです。そして、どんな場合でも、一人称、二人称がはっきりしている。日本語は人称を普通省略しますから、日本語頭で英語を話そうとするとつっかえてしまう。話がたどたどしくなる。相手が飽きてくる。もちろん、人称など彼女はまったく気にしていませんし、そのような用語も知らないでしょう。文章はまだすらすらと読めなくても、コミュニケーションは出来るようになる。そうすると初めて、自己主張のメカニズムを体が習得できると私は思っています。
その原点は相手のWhyに答えることにあります。自分の考えや要求を相手に伝える。そして、その理由を説明する。このセットがうまく組み合わさることで自己主張が機能するわけです。
前述の男子は女子に比べて英語文化の飲み込みに1年を費やしました。しかし、根が素直で温厚な性格であったため、先生や仲間に恵まれ、苦しいかった半年を経て、ニューイングランドの雪がとけ始めるころに彼のそれまでの学習文化も溶かして行きました。2年目からは持ち前の粘り強さを発揮して、3年目はなんの問題もなく卒業を果たしました。

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