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グローバル時代の教育 世界の中の日本の大学

社会人のための最終教育機関として、大学が今最も重視している能力は、
コミュニケーションスキルとリーダーシップ教育であると思います。
アメリカのコーネル大学ではこの二つのスキルをより磨くために、
新入生の必須科目の見直しが行なわれているそうです。
コーネル大学がなぜこの二つのスキルを磨く必要があるのか、
彼らの解答はグローバル化が足りないという「危機感」だそうなのです。
一般教養の初年度から必須科目を見直す作業において、
私の独断でその項目を挙げさせてもらいます。
・ 多様な文化背景を持つ人材のなかでリーダーシップ発揮するスキルを磨く
・ 納得できるプレゼンテーションスキルを磨くための講座
・ 専門知識は求めず、「不確定」の環境でもプロジェクトを前進させる意識
・ 自分のやりたいことを早期に発見し追及する力を養う
・ 人の評価に惑わされない自分の信念を養う
さて、日本の大学の現象をいくつか取り上げ考えてみたいと思います。
まず、日本大学生は勉強しないという一般論です。
これはたくさんの帰国子女たちから聞きました。
私自身も日本の大学の「英文科」に所属していましたが、
正直なところ、「高校のほうが数倍勉強したなあ」というのが実感です。
その後、アメリカの大学で人文学(Humanities)という学科を専攻したのですが、
英語のハンディもあり、日本の学生時代の5倍は勉強せざるを得ない状況でした。
大学は人から言われて勉強する場ではないということは解っていても、
率直に言って「ゼミ」なる専門課程の課題をこなす以外に人文科学系で身になる
学習は何かを私は学生さんに聞いてみたいと思っています。
かつ、ゼミの選択の優先順位が就職コネにあるというのも
たくさんの学生さんから聞きました。
3年になればいわゆる「就活」がスタートし、4年で内定するのであれば、
なぜそのまま1年も大学に居る必要があるのでしょうか。
せっかく単位制がシステムとしてあるのですから、
早期卒業、早期就職が可能ではないでしょうか。
「社会に出る前に、色々な経験を」という時間的余裕は
「エコ社会」ではきわめて「もったいない」精神活動ではないでしょうか。
就職が決まったら大学院入学をキャンセルする傾向がとみに強くなり、
企業面接では徹底的に人柄や考え方は検証されるでしょうが、
大学時代の成績は「とにかく」という現状。
もし、「社会が成績と実社会は違う」と若者に教えるのであれば、
いよいよ若者は勉強しなくなります。
世の中が不確実な時代だからこそ、本当の学力や能力が
問われてしかるべきと思いますが、やっと乗り越えた受験戦争の次には、
学園生活の休息も2年ほどで、今度は「就職戦争」というハードルがあり、
本当の自分が望む人生の価値観や信念を考え、勉強し、試して、
失敗する間もなく「就活」の始まりです。
日本の大学に欠けていることを一言でいえば「ダイバーシティ」、
すなわち多様性だと思います。
そして多様性と直結しているのが、グローバル社会です。
知っていることではなくて、知っていることと自分の人生のかかわりを
徹底的に検証し、試行錯誤し、失敗を克服し、不安を自らの力で希望に変える、
そのために私は勉強を若者にしてもらいたいと思います。

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