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ESL(留学生用英語クラス)つきボーディングスクール

ESLがあるのはどんなボーディングスクール

日本からアメリカのボーディングスクール留学を目指す学生にとって入学の可能性が高いのはESLのあるボーディングスクール群です。TABSの統計によれば2007年現在でその学校数207校です。現地学生と同等の英語力のない学生は受け入れないテンスクールズと呼ばれる名門ボーディングスクールを含む30パーセントほどのボーディングスクールを除いてはほとんどのボーディングスクールが何らかの形でESLを備えていることになります。
ボーディングスクールそのものの歴史と比べESLの歴史は浅く、そのプログラムは発展途上にあるといってよいでしょう。個性や他校にとらわれない独自性を何の抵抗なく受け入れるお国柄にふさわしく、各校のESLのありかたは個性的です。
TABSのボーディングスクール分類に従ってESLのある学校を挙げると次のようになります。
All Boarding
Boarding-Day School
Military School
5-Day Boarding School
Junior Boarding School
Boys School
Girls School
Pre-Professional Arts School
PG Programのある学校
Small boarding school(TABSの分類にはありません)

ESLとレギュラークラス

ESLをいち早く導入し、多くの留学生を受け入れて来た学校はその実績と試行錯誤の経験から留学生をメインストリーム(現地の学生のカリキュラム)の学生と独立させてカリキュラム運営する傾向があります。そうすることで、英語力のない留学生でも効率よく教えて伸ばすことが出来ます。国語としての英語クラスはもちろんのこと、歴史(アメリカ史、世界史)、科学(サイエンス、生物など)、数学(あまり多くありませんが幾何学、Geometryなど)といった主要科目がESLクラスの対象となります。もちろん、ボーディングスクールは異文化交流や多様性を重視しますので、体育、芸術、および英語力をそれほど必要とせず、アジアの学生が得意とする代数学はなるべく一般の学生と受けさせるようにしています。
ボーディングスクールの留学生用ESLクラスはそれぞれの学校のオリジナルであって、多くのアメリカの大学にある独立した英語学校とは違います。
ボーディングスクールのESLクラス編成は比較的柔軟性があり、担当する先生の権限でレギュラークラス入りを認められたりもします。一般的には留学生の学習意欲を刺激するために最終学年はESL科目を履修させず、卒業条件にTOEFLの最低スコアを要求するケースが多くみられます。日本からの留学生がボーディングスクールに入学する場合、7割から8割くらいがこれらの学校群に留学すると考えてよいでしょう。

ESLのあるボーディングスクールの留意点

このESLカリキュラムを持つ学校で注意しなければならないのは留学生の全体に占める割合と出身国別バランスです。70年代から現代にかけて世界のアメリカボーディングスクールの留学生市場はその国の経済力と勢いにおおいに左右されてきました。一国から多くの留学生を受け入れると、それらの学生がグループを作り、現地学生や他の国からの留学生とトラブルを起こしやすくなります。多くのボーディングスクールがそのような経験を経て、一国からの留学生数を制限するようになって来ました。とはいっても、各国から均等に留学生を取ることは現実にはきわめて困難なのです。留学生の全体に占める割合は理想的には1割程度で、その出身国はなるべく多国籍が望ましいでしょう。
寮生活については留学生同士が特に希望する場合や、あまりにも英語力がなく、同国人があえてルームメイト役を希望しない限り英語のネイティブスピーカー(英語を母国語とする人)が留学生のルームメイトとなります。
もうひとつのESLはカリキュラムとしてあるのではなくサポートとしてあるものです。この方式の学校は入学条件にTOEFLやSLEPテストのスコアを要求します。学校によってESLレベルは中級(Intermediate)以上などと表現しますが、この学校群では学習力、英語力ともに英検で言うと2級をパスするくらいの力あるいはそれ以上を要求されます」。このような学校群は留学生の学力がそれなりに高く、ESLクラスがないかあっても小規模のものなので、一国集中の留学生グループは出来にくく、トラブルは起こりにくくなります。その反面、入学難易度が高く、また入学後も留学生も通常の学生と同等に考えられるので初年度は相当の努力と忍耐力が必要です。

ESLで学ぶ生徒の出身国

その他、カソリック系のボーディングスクールにはメキシコやスペインなどのカソリック教徒の多い国から留学生が集まりやすい傾向にあります。また、ボーディングスクールによっては、ESLスタート時から中南米から主に留学生を受け入れてきている学校もあります。これら、ラテン系の留学生は英語と母国語の類似性とそのあっけらかんとした天性の性格もあり、ESLなどなくても通じさせてしまうという特技があります。
律儀でまじめな日本人留学生は学校のそこかしこでスペイン語が飛び交う環境と、彼らの粗暴とも言える言動や行動におおよそ度肝をぬかれます。それこそが異文化体験でしょうが、ボーディングスクールの留学生データを事前にチェックして、そのような環境を理解したうえで留学をしたいものです。ラテン系に同化して、楽しい留学生活を送る日本人学生もたくさんいます。
最近は韓国、中国からのボーディングスクールへの留学生が爆発的に増えていますので、アジアからの留学生のパーセンテージをしっかり把握しておくとよいと思います。
ESLを作って数年しか経ていない学校は、ESLカリキュラムもESLサポートも実質的にはなく、学生の質問に英語の先生が自習時間に答える程度のものもありますので、学校調査の際にはESLの内容をしっかり点検する必要があります。

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