休日コラム 年賀状
便利で合理的な現代にあっても年賀状を
交換するという習慣は継続されています。
年賀状の発行枚数と日本の社会との関係が知りたくなり調べてみました。
戦前にも年賀状の習慣はあったそうですが、ネットで調べると、
昭和24年(1949年)に約1億8千万枚刷られ、
そこから統計が始まっています。
日本経済の発展、人口の増加に伴い発行枚数は増加します。
戦後間もない日本の復興期に今の年賀状がつくられて、
その後、順調に右肩上がりに年賀状の発行枚数は増加し、
そのピークは平成15年(2004年)、約44億6千万枚です。
その年から発行枚数は徐々に少なくなり、2017年の当初発行枚数は、
約25億7千万枚になっています。
年賀状の発行枚数がピークになった平成15年には、
すでに電子メールが一般に普及していました。
新年の挨拶習慣が年賀状という紙媒体から電子メールに取って代わられた
わけではなさそうです。
これからはラインやその他の通信手段が年賀状の発行枚数を
圧迫するでしょうが、年賀状はこれからもなくなることはないと思います。
年賀状そのものは、おおよそが「印刷物化」していますが、
数行の手書きメッセージは、電子メールやラインでは到底表現できない
書き手と受け手の想いを創っていると思います。
年賀状の交換だけで10年以上も会っていない人でも、
今年こそはと思いつつ年を重ねてしまうのですが、
「いつか会おう」という意思が、年末年始にうまく重なる時にそれが
実現化するということもあります。
年賀状には関係なく、会いたければメールか電話をすればいいのですが、
その気安さとは何か違う年の瀬と年始の一枚の賀状にこめるメッセージは、
やはり残したいと思う人が多いのではないかと思います。
明日から出す年賀状は10円プラスになるそうですが、
松飾りも取れてまた忙しい日々が始まります。
賀状で保たれたご縁を実現化する年にしたいと思います。