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社会としてのボーディングスクール

ボーディングスクールに関わる人たちは、自分たちの学校を、
アワ・コミュニティー、ディス・コミュニティーなどと呼びます。
コミュニティーを辞書で引くと、地域社会という訳があります。
ボーディングスクールそのものを学校スタッフは、一つの社会と考えています。
確かに、フィリップス・アンドーバーやエクセターなどは、
学校というよりも町全体が学校という雰囲気があります。
町と学校の間には柵や塀などは一切ありませんし、
学校敷地は広大であるがゆえに、いくつもの公道が「学校内」にあります。
物理的な枠だけではありません。
生徒も先生もこの小さな社会のなかで日常を過ごします。
寮には、当直の先生の他に、そこで生徒と生活を共にする先生家族が
暮らしています。それ故に、どこのボーディングスクールでも
学校内に小さな子供、犬、猫などが闊歩しています。
ボーディングスクール・コミュニティーの先生やアドミッションスタッフは、
一般の人たちと比較すると、若い時期に結婚し子どもがいる人たちが
多いように思います。
そのほとんどが夫婦で学校に関わっているので、彼らにとって
将にボーディングスクールは仕事と生活が混然一体となっている場です。
生徒にとっても同じことです。
生活の場が我が家から学校に単純シフトします。
食事がまずいと愚痴を言い、外出もままならず、インターネットも制限されて、
それでもなお、生徒たちは数代にわたってボーディングスクールで学ぶ
というケースも珍しいことではありません。
学校がコミュニティーと呼ばれるその根本は、
学校スタッフ全員と生徒との関わり方にあると思います。
今まで総生徒数が1000人にも及ぶテンスクールズから100名を下回るような
小規模のボーディングスクールまで多くの学校を訪問して、
そこで学ぶ生徒に「この学校の魅力は」という質問をしました。
返ってきた答えで一番多かったのが、people are friendly and kindです。
受験に有利、教え方がいい、先生が素晴らしいといった
アカデミックなことを言った生徒は記憶にありません。
私は、このようなコミュニティーに教育の本来の姿があると思います。
つづく

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