留学コンシェルジュ

#2 教育の原点について

<前日のブログに続きます>
ボーディングスクールが真剣に考える生徒たちの幸福感は、
たとえば、最新のITテクノロジーで生まれた3Dプリンタを使った
作品の制作、ロボットによる様々な競技会への参加、
バーチャルスコープ、ドローンなどを活用できる授業科目の設置があります。
修学旅行という発想は彼らにはありません。
教室を出て、屋外で授業をすることはボーディングスクールの得意とする
ところですが、その発展形である研修の旅は、
おおよそが参加者を募るオプションの旅です。
その行き先は、アジア、アフリカ、南米など発展途上の国も多く、
現地での活動はボランティア的なものも多くあります。
中等教育時代にそのような地域を見るだけでなく、井戸掘りや
植林、学校建築の手伝いなどを体験することで、
それに参加する生徒たちは何を感じることでしょう。
もちろん、ただ旅行して、ボランティア活動をするだけではありません。
参加者一人ひとりが、自分でテーマを決めて、報告書を作り、
発表するというプロセスも重要な学習になります。
そもそもボーディングスクールには、組という概念がありません。
1学年の総生徒数平均は、TABSのデータに準ずれば100名に満ちません。
従って、学年をいくつかの組に分けてランダムに生徒を配置するのではなく、
基本的には主要な科目にはAPクラス、Honorクラスなど
学力の高い生徒のための配慮をする一方で、学力が低い生徒のために、
先生に質問できる時間と場所を提供するとともに、
成績の良い生徒がボランティアでチューター(個人教授)を行ったり、
先生が同伴する自習時間を設けたりして、学力の向上を促します。
ボーディングスクールが追求してやまないのは、進学実績ではありません。
そこで学ぶ一人ひとりの生徒にやる気と満足を与えることです。
スポーツ活動においては、日本のようなクラブ制はありません。
1年を3シーズンにわけて、それぞれのシーズンで違ったスポーツを
するようになっています。
人気のあるスポーツは、参加希望者全員が試合に参加するために、
いくつでもチームを作ります。補欠になる人はいません。
プロを目指す生徒たちは、一軍、続いて二軍、初心者だがそのスポーツを
やってみたいという生徒のためにも三軍、四軍を作ります。
スポーツを通じて、苦労も、歓びも、口惜しさも学んでほしいからです。
テンスクールズをはじめとして、難関ボーディングスクールでも
スポーツは欠くことのできない学校カリキュラムの一環です。
学業、スポーツ、芸術、音楽などすべてに興味があり、
優れた結果を残すということは、現実的ではありません。
TABSに加盟するか、Boarding School Reviewにリストされている
アメリカボーディングスクールは、成績のみを追求して難関大学入学を
果たす生徒を育成はしません。
彼らが、それからの長い人生のなかで、大切にする生き方の核を
学ぶことをボーディングスクールは懸命になって探し求めています。

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