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#5留学生たちの今-国際性

<前日のブログに続きます>
国際性というと、捉えどころが大きすぎて、いささか漠然とした言葉に聞こえがちですが、T氏の話を聞いていると、国際性の条件が明確に思えてきます。
第一に英語でのコミュニケーションです。世界の国々にネットワークを持つ企業の場合、公用語が英語になることは避けられません。会議が英語で行われ、配布される書類も英語です。
T氏はアメリカで10年弱の期間、仕事をしています。日本に本社を置く企業のアメリカ本社および工場での勤務です。T氏は理科系エンジニアではありませんが、工場の立ち上げから参加していて、CEO Award、日本で言うところの社長賞を2回いただいたそうです。
1回目は2002年、工場の生産管理業務で立ち上げ早々の工場での生産性を落とすことなく多品種目を作るという課題に対する成果だそうです。
彼は、現場で働く人たちとのコミュニケーションを重視して、彼らがどうしたらヤル気が出るかを徹底して考えたそうです。そこで、T氏が行ったことは、
① 朝5時に出社、朝のミーティング前にその日ごとの目標を立てて、計画と実行のタイムラグを減少
② 夜はその日の生産進捗をチェック、問題があれば即現場と話し合い
③ 現場のやる気喚起のため、現場の人間にも計画から実行までのプロセスを経験してもらい、「作る人たち」と目標の共有と現場改善のためのアイディアを積極的に追求
勢力的に現場とかかわるT氏を、現場の人たちは「裏の工場長」と称え、彼もそのネットワークをとても大切にした結果、CEO Awardの受賞となったとのことです。
2回目は、工場からアメリカ本社に移り、そこで南アメリカに新設される工場のサポートを遠隔地のアメリカ本社から行い、特殊な生産方式に沿った生産計画立案システムを日本の技術陣と一緒にデザイン・開発した時だそうです。
英語、日本語共に同等に高いレベルでのコミュニケーション力そして読み書きの力がT氏に求められ、それに的確に答えられたからこそT氏は、彼の勤務する会社で彼以外に達成しえなかったCEO Awardを2回の受賞に至っているのだと思います。英語が話せる、聞けるだけでは、仕事としてT氏の場合成り立ちません。また、工場を立ち上げる時には、多くの数字にも精通しなければならないでしょう。冒頭に述べたように、T氏は理科系の学生ではなかったにも関わらず、工場の立ち上げから軌道に乗るまで、さらには、そのノウハウを生かして、アメリカ本社のヘッドコーターで南アメリカの工場の立ち上げを、「日本人エンジニアたち」と協働して行うなど、日本人にして完全なバイリンガル、プラス驚異の努力家でなければないし得ない偉業と思います。
つづく

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