#2 英語力を伸ばすには
<昨日のブログに続きます>
英語を使う環境とやる気、意欲がセットされれば、1年あれば生活英語には困らなくなるというのが、中学、高校留学での留学生の現実です。当の本人たちは、どこで、どのように英語がマスターできたのかは定かではありません。ある日、突然に英語で夢を見るようになり、友たちの問いに対して、反射的に英語が出てくるようになることも、いつ、どこでそうなったのか、明確に答えられる留学生はいません。
このような英語習得力は各自の特別な能力をもって行われることではなく、環境変化による必然的帰結です。
2年目、英語力がコミュニケーションの道具として定着し、さらに十分に使える状況が生まれます。しかし、アカデミックな意味での英語の読み書きは、相応な努力がないと顕著な伸びを示すことはありません。毎日の授業、宿題、課題を期限通りにこなすことで精いっぱいの状況では、思いのほか語彙力が伸びず、読む力も現地の生徒と比較すると劣っています。そして、日常が忙しく、かなりのスピードをもって通り過ぎていくので、自分に不足していることが何で、それに対してどのように対処していいのか、留学している当人は客観的には解らない場合が多いのではないかと思います。
3年目は、自分の不足している部分に気付き、それを補う年です。できることであれば、2年目でそれに気づいて、1年先に対策を考えられればいいのですが、すべて予定通りに進んでいかないのが現実です。そこで、物理的な対策が不十分であっても、留学している本人の意識を、今までの日本式の受け身型から英語圏の能動型に変化させることで新たな未来を作ることができるのではないかと思います。
英語圏の能動型の基本は、与えられた課題に対して、絶えず自分の意見を中心に考えるという姿勢です。
これは日本式の学習のなかでは、あまり見られません。自分の意見の前に、覚えるべきことが際限なく与えられるために、それで精いっぱいになってしまいます。ところが、英語圏では、TOEFL、SATにもすでに作文が導入されています。もちろん、自由作文ではなく、テーマがしっかりと与えられるだけでなく、それに対する条件までもが設定されるという制約があるのですが、それでも文章を造り出すという自立的な知的作業は欠くことができない英語圏での学習の大きな目的になっています。