2025/6/11 ニュージーランド大使館にて / 不確実な世界で安定の魅力を発揮するNZ
今日はニュージーランド大使館にお招きいただきStudy Aucklandのイベントに参加しました。
Auckland周辺の小学校から高校までの学校が一堂に介し、我々のような留学コンサルタントとの交流を深める趣旨のイベントです。まずは今回のイベントに選抜をしていただいた事に感謝をしつつ、少人数での交流会を通してじっくりとそれぞれの学校の理解を深めることが出来ました。
今回、私が交流をした学校をリストにしてみました。
- Auckland Grammar
- Botany Downs Secondary College
- Gulf Harbour School
- Howick College
- Maraetai Beach School
- Massey High School
- Mount Albert Grammar School
- Mount Roskill Grammar School
- One Tree Hill College
- Rosehill College
- Sacred Heart College
- St Mary’s College
- St Peter’s College
- Takapuna Grammar School
- Waitākere College、Waiuku College
それぞれの学校の詳細をここで伝えるととても長いブログになってしまいますので、今回は総評としてアップデートを中心にお話をしていきます。
まず、ニュージーランドというお国柄やその地理的な特徴もあり、昨今の世界で繰り広げられる様々なConflict、国内情勢や国際情勢に罪のない留学生たちが振り回せれてしまう状況に大きな懸念を感じますが、ニュージーランドは立地的にも、政治的にも一歩引いた立ち位置で世界を捉えているように感じます。それは、大使館の雰囲気からも感じられ、良い意味で緊張感のない、あたかも知り合いのお家にお招きをいただいたような、Welcome感に溢れています。この雰囲気は毎回、ニュージーランドの空港でも感じる事なので、ニュージーランドならではといっても間違い無いでしょう。
今回のイベントは、本当に少人数で学校の関係者がおおよそ20名ほど、今回招かれたコンサルタントも20名ほどだったと思いますが、ニュージーランドに関わる仕事をしている人たちが集まると、本当に和気藹々とした雰囲気が醸成されるのは、これもニュージーランドならではと言えます。
留学生のとってはこの「雰囲気」はとても重要で、日本人留学生にとって親しみやすく、疎外感や孤独感を感じ難い特徴があります、これらの特徴が故にニュージーランドが人気の留学先になっている一つの大きな理由とも言えるでしょう。
ソフト面での留学生の受け入れ体制もしっかりとしています。留学生を受け入れる為に各学校は、国が定めるCode of Practice (服務規定)に厳密に従う必要があります。留学生を受け入れるための条件については各学校はもちろんの事、生徒たちが滞在するホームステイにまでに及びます。国が主導をして留学生のクオリティを保証するのはニュージーランドならではと言えます。
留学生にとって、理想とも言えるニュージーランドですが、長期留学においてはより高い英語力と学力を求められるようになってきている事についても触れていく必要があります。
一般的にニュージーランドの高校のカリキュラムはNCEAと呼ばれるシステムを導入しています。日本で言えば大学のシステムをイメージすると良いと思います。必須科目と選択科目の単位を修得することで学校を卒業できるというシステムになります。
実は今まで、日本人留学生はこの単位を取らなくても3年滞在することで、日本の帰国子女枠の資格を得ることが出来ていました。しかしながら、昨今では日本の大学も少しづつ、NCEAの単位をしっかりとみてくるようになっています。
極論を言えば、ニュージーランドで数年間滞在していれば取れた帰国子女枠の資格が、今ではしっかりとニュージーランドの現地の生徒同様に、単位を取る必要性が出てきたということです。
裏を返せば、それは留学生がしっかりと学力を身につけて成長してもらいたいというニュージーランド教育の責任感の表れとも言えるかもしれませんが、3つあるNCEAのレベルの全てを取る為には、早い段階で英語レベルを授業についていけるレベルに上げていく必要がある事になります。
今までは「行けばなんとかなる」という対策で通用していたものが、しっかりとスケジュールと対策を建てて計画的に留学をする必要性が出てきたと言えます。
本来の留学の姿となったと言えばそれまでですが、我々としても数年後の結果を見据えての準備をしっかりとしていく事がより大事になってきているので、コンサルタントとしてより責任を感じます。
同時に、Whole Person (全人的)な教育を目指すニュージーランドは、勉強一辺倒にならないところも大きな特徴です。今回来日した学校の中でもアカデミックレベルがニュージーランドトップクラスに位置する、Auckland Grammarでさえ、スポーツや課外活動とアカデミックな学業のコンビネーションの重要性を唱えています。彼らのリサーチでは、学業一辺倒の生徒よりも、スポーツや課外活動を高いレベルで取り組むこの方が学業レベルも高いという明確な結果が出ていると言います。
さらには、日本でも問題になっているスマートフォンに対する付き合い方もニュージーランド政府は明確なルールを生徒に課しました。学校にいる間は授業で利用する物以外のデジタルデバイスの利用を国全体で禁止にしました。コロナの対策でも「人のためになる事」に対する行動の速さを感じましたが、デジタルデバイスについても彼らのアクションはとても早いです。 巨大企業とのしがらみがないからか?とついついバックグラウンドまで考えが及びます。
加速度的にトレンドの移り変わる世界情勢の中で、独自の存在感を示すニュージーランド。元来の親しみやすさや欧米ながらも日本的な感性を持ち合わせるこの国はやはり日本人にとって、特に若い世代の子供達のとっては、安全でしっかりとした成長の見込める魅力的な国であることが再確認するに至りました。

ニュージーランド大使館はどの国の大使館と比べても圧倒的なアットホーム感がある。ここにもおおらかなお国柄を感じることができる。