留学コンシェルジュ

ご家族からの便り。Tabor Academy 「純ジャパ中高一貫校生にお勧めしたいボーディングスクール」”School by the Sea”

School by the Sea / Tabor School のキャンパス

 

E-Conciergeの読者の皆さま、こんにちは。MMと申します。

 

我が家の息子は2019年に高校1年生の秋から1年間Tabor Academy(テイバー)に10年生として留学しました。

皆さまはきっとお子様のボーディングスクール進学先を探していらっしゃると思いますので、私の体験が少しでも参考になれば幸いです。

 

・なぜボーディングスクール?

 

私は英語が好きだったのですが、実家には経済的な余裕がなかったため、「大人になったらお金を貯めて留学したい」と思っていました。そして大人になって分かったことは、「大人になってからでは遅すぎた」ということでした。

後に外資系企業で働きだして分かったことは、高校までにたとえ1年でも留学すると英語の流暢さが違う、ということでした。国際会議において議論に参加できるレベルになるためには最低でも高校時代に留学する必要があると実感しました。私が憧れるエリートたちは、アメリカのボーディングスクールに留学しアイビーリーグを卒業していました。私の中で、「ボーディングスクール」への憧れがふくらみました。 自分の憧れを息子に託したわけです。

 

・日本の中学受験というプロセス

 

一方で、小学4年生から6年生までは中学受験のための勉強に専念させました。その時点では子供が文系なのか理系なのか分からないものです。将来、医学部を受験したいと言い出すかもしれませんので、日本の普通の進学レールに載せました。中学受験は大変なものです。親子で相当に努力した結果、第一志望校に合格することができました。その間、英語学習はお休みの状態になりました。

 

・日本の中高一貫校からの留学

 

早い時期を希望したのですが、息子の中学では規定により親が帯同しない子供単身での留学は許されませんので、高校1年生の留学を目指すことにしました。ただし、子供に留学意欲を醸成する必要が生じました。学校が楽しすぎて、離れたくない、という状況にあったのです。

 

・ボーディングスクール留学のためにどうしたらよいのか?~「息子がハッピーになれる」場所を探して

 

「憧れ」のボーディングスクールを目指すにしても、周囲に経験者は皆無でした。しかもTen Schoolsスクールくらいしか私の辞書にはなく、西海岸がよいのか、東海岸がよいのかも見当がつきませんでした。
しかも、日本のそれなりの中高一貫校に見合う教育レベルじゃないと嫌だ、という内心のこだわりがあったのです。当時は、AFSや交換留学以外にそれなりの中高一貫校から私費で1年間留学したという経験者情報がありませんでした。「私の理論は果たして実現可能なのか?」と悩む日々でした。ましてや英語力がキーになるのですが、当時はDuolingoも受け入れられておらず、TOEFLスコア一本で英語力アップに四苦八苦する毎日でした。

 

・息子と同様の留学経験者に巡り合う

 

あるボーディングスクールフェアの会場で、やっとそれなりの中高一貫校出身者で1年間のボーディングスクール留学経験者に巡り会うことができました。そこでその方の出願校を思い切って聞き出してみたのです。その一つがTaborでした。その方は結局、別の学校を選択したのですが、TOEFL70で合格されていました。

 

・なぜTaborを選んだか?~偶然の人との出会い

 

自分の目で息子がハッピーになる場所を探そうと、2~3回渡米しました。中学3年生のゴールデンウイークには出願校を決めるためにキャンパスを訪問しました。忘れもしない最後の訪問先がTaborでした。学校訪問では色々なことがわかります。型どおりの案内しかしてくれない学校もあります。ランチをカフェテリアで食べることを頼んでも、断られたりすることもありました。ボーディングスクールとしてのブランドは有名であっても、留学生を十把ひとからげにして、「日本人生徒を見ていないな」ということを感じることはよくありました。中国人出願者なみのTOEFL110くらいが普通よ、ということになってしまうのです。英語がイマイチでも純ジャパ日本人生徒の高いポテンシャルを評価する、というシンパシーがないのです

明日は早朝よりTabor訪問という最後の夜にダメ元で、Taborのアドミッションオフィスに「可能なら日本人生徒達に合わせて欲しい」とメールをしておきました。返答を確認する時間もないままに翌朝、テイバーを訪問し、キャンパス内で迷っていたところ、出会った紳士に道を聞くと、まったく偶然ですが、インターナショナルセンター長(当時)の
Mr. Stephen Downes(ダウンズ先生)でした。

ダウンズ先生は私たちの訪問をちゃんと把握しており、アドミッションオフィスに日本人生徒を全員集めて下さっていたのです。これが長く続くダウンズ先生との出会いでした。結局、息子は東京面接でダウンズ先生に再会することになりました。

向かって右側がMr.Stephen Downes 教育に対する熱意と親しみやすい雰囲気を合わせ持つTaborの魅力を物語る人物

 

・ハッピーな純ジャパ日本人留学生の姿

 

Taborで出会った日本人留学生達はうちの息子と同じような中高一貫校から頑張って入学した生徒でした。特に息子と似た経歴の男の子がいたことには大きく励まされました。
皆さん、見るからに楽しそうで充実していることがはっきりわかりました。最終的に息子には自分で留学先を選ばせたのですが、この時の印象が息子の決断に大きく影響します。

 

・日本人生徒の成績優秀さとトップ大学進学実績

 

入学後に非常に驚いたことがあります。あの楽しげな日本人生徒たちがほぼ全員“Cum Laude”という「優等賞」受賞者だったのです。これは、テイバーの規定により、クラスの上位20%の成績を収め、さらにその賞にふさわしい人格基準を満たした学生に授与されるものです。また、そうした生徒の大学進学実績も名門大学が多いと思います。

充実したボーディング生活が学業の成績にも良い影響を与えてくれる。

 

・留学中の息子の学業

 

入学後、秋のペアレントウィークエンドに訪問すると、息子は非常に楽しそうな表情でキャンパスを歩いており大変に安心しました。「息子がハッピーになれる場所」という私の定義にははまっているようでした。先生方は親切ですし、温かい雰囲気がありました。

学業面ではテイバーはトップ10に次ぐ進学校の位置付けです。英語はそこそこ頑張ってついていったようで、歴史が難しかったようです。

息子は、中学2年生から高校1年生まで毎年サマースクールに参加していましたが、英語は流暢というわけではありませんでした。それでも入学当初、英語の補習授業は課されませんでした。(テイバーではESLはありませんが、必要な場合のサポートは受けられます)
また、数学はレギュラーコースより難しいオナーコースを取っていましたが、日本での教育のおかげで理数系全般まったく問題がありませんでした(ちなみに日本では文系です) 数学の授業もディスカッションで進めますので、強い参加意欲が必要です。

ボーディングスクールでは、相当量の宿題が出ますので、慣れるまではこなすことが大変です。勤勉であることは必要です。また、息子がやって行けたのは、日本の中学受験を突破して、中高一貫校で培われた基礎学力のおかげだと思っています。

 

・「残って欲しい」と引き留められる

 

コロナ禍もあり、2020年のお正月に帰国後は日本でのリモート授業になってしまいました。予定どおり日本に復学することをダウンズ先生に申し出ると、有難いことに相当熱心に引き留められました。私はTaborに残らせようと覚悟を決めましたが、驚いたことに本人は固い意思で日本に復学したい、と言いました。

 

・日本で復学した結果

復学後にどの学年に戻るかは学校の方針により異なります。息子の学校はリピートなしの方針でしたので高校2年生に復学します。留学前には復学後、勉強についていけるかについて心配していましたが、それは杞憂でした。むしろ、英語力が圧倒的に向上したおかげで、英語に傾斜配点される日本の大学受験では相当に有利でした(もちろんそれなりの厳しさはあります)また、本当の意味で英語が好きになったようでした。

 

・第一志望の大学に合格

帰国後、アメリカの大学一直線で受験するのかと思いきや、日本の大学も併願することになりました。アメリカの大学受験は合格率がわからないものです。私としては日米ともに中途半端に終わることが嫌でした。アメリカの大学がダメなら、浪人して日本の大学に再挑戦する道も頭をかすめました。必死でサポートした結果、アーリーディシジョンでアメリカの第一志望の大学に合格することができました。

 

・「Taborでの経験を活かして欲しい」

息子を採用してくれた大学のアドミッション担当者から直々にレターをもらい「日本の学校での経験とともにテイバーでの経験を活かして欲しい」という言葉をいただきました。日本の学校に加えて、アメリカの有名私立で過ごしたという体験は大きく合格につながったようです。

 

 

・Taborの位置付け

テイバーはアメリカの東海岸のボーディングスクールでは、トップ10スクールに次ぐ“セカンドティア―”と呼ばれる学校群の一角です。もし、アメリカのトップ10スクールで不本意な成績になってしまうと大学進学に不利になります(もちろん逆に成功例もあるでしょうが)そういう事態を避けるために“セカンドディア―”の学校を敢えて選択するという生徒もいます。

 

 

・School by the Sea“ 

 
テイバーの特長は何と言っても、海とともにあること。海沿いのその独特の美しいロケーションは全米でも他にはありません。学校のあるマリオンという土地柄は海沿いの避暑地で大変に品の良い落ち着いた環境です。日本から直行便のあるボストンから車でまっすぐに南下して1時間と、アクセスも良いです。

海が目の前に広がるボーディングスクールは非常に珍しい。その立地を最大限に生かしたプログラムも用意されている。

 

・非常に優秀で「ナイス」なアジア人生徒達 
ダウンズ先生は中国語の先生でもあり、アジア各国の文化や特色をよく知り尽くしています。その鑑識眼で採用したアジア人生徒達は群を抜いて優秀でフレンドリーだと思います。非常に「ナイス」だとしか言えないのです。また、日本人生徒を愛し、日本人生徒がいなくなると寂しい、と思ってくれています。日本人が溶け込みやすい風土だと思いました

 

・純ジャパ中高一貫校生にチャンスあり

テイバーのアドミッションは長期的な成長を見据えて採用をします。勤勉で真面目な日本人気質を理解し、最初は大変でも頑張って成長する純ジャパ日本人生徒のポテンシャルを高く評価しています。TOEFL70台でももろもろの条件に問題がなく、インタビューがこなせれば、温かく歓迎してくれます。

「それなりの中高一貫校生なら純ジャパで大丈夫。チャンスあり」と私は思っています。また、日本人保護者にとって安心な環境だと思われます。テイバーの日本人が優秀な理由は、各人が非常に自立しており、日本人としての誇りを失わないことにあります。変にアメリカナイズされません。破れたジーンズをはくようになるとか、露出度の高い服を着るような生徒をみたことがありません。

 

・大学受験を含めた将来を見据えることが大切

私自身の経験から、ボーディングスクール選択時には、大学受験を含めた将来を見据えたビジョンを持つことをお勧めします。ボーディングスクールに行けばアメリカの良い大学に入れるかというと絶対に違います。アメリカの大学受験は厳しく、高校時代の成績第一と言っても過言ではありません。まずは勉強しないといけません。
ボーディングスクールの場合、楽しく充実した学校生活を送ることと、成績や課外活動の成功度・満足度は表裏一体となっているように感じます。保護者にできる一番大切なことはお子さんに合った学校選びであり、それによってお子様の将来が開けると考えます。

学校が船を持つのも珍しい、この船は生徒たちの教育の一つとして実際に利用されている。

 

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