2026年度中学入試出願状況から見る「グローバル教育校」は本当に選ばれているのか?
こんにちは。今村です。
Eコンシェルジュにて生徒ご家族へのコンサルティングを担当すると同時に留学ストラティジストとして受験の傾向分析も担当しています。
2026年度(令和8年度)日本国内の中学入試の出願速報データが、少しずつ出そろい始めましたので、今回はデータを元に受験のトレンドを少し読み解いて行きたいと思います。
まず、日本国内全体を俯瞰してみると、今年は「受験者数が大きく増えた」「一気に減った」といった極端な動きは見られません。しかし、その一方で、学校ごとの差は、これまで以上にはっきりしてきたそんな印象を受けるデータでもあります。
つまり、全体が横ばいであるからこそ、「選ばれる学校」「そうでない学校」の違いが、より浮き彫りになってきている様子が伺えます。。その中で、ここ数年にわたって安定した注目を集め続けているのが、
「グローバル教育に力を入れている一条校」です。本記事では、今年度の出願状況データを手がかりに、
・グローバル教育校の出願・人気の傾向
・そこから見えてくる保護者の意識の変化
・今後の中学選びにおけるヒント
について、整理しながら考えていきたいと思います。
※参照データ:市進中学受験情報ナビ(東京都私立共学のみのデータ)
※あくまでも速報値のため、最新情報は各校の公式ホームページ等をご確認ください。
・今年度出願データの全体像(前提整理)
まず、今年度の出願データを読み解く上での前提ですが、2026年度入試の速報段階では、出願総数は、大幅増・大幅減の年ではないしかしその一方で、「人気校にはより出願が集中し、選ばれにくい学校はより厳しくなる」という二極化が進んでいるという構図が見えてきます。これは、単純に「少子化だから」という一言では片づけられません。むしろ、保護者が、学校をより丁寧に、より真剣に「中身」で選び始めているその結果として現れている数字だと考えるほうが、自然だと思います。そのトレンドはボーディングスクール進学を考える親御さんの考え方にだんだんと近づいてきていると言えるかもしれません。
・グローバル教育校の出願動向の特徴
今回の出願データの中で特徴的なのが、三田国際科学学園、広尾学園 など一条校でありながら、インターナショナル/国際コースを明確に持つ学校の存在感です。出願面での共通点
- 出願数が大きく落ち込んでいない
- 年によっては微増〜高水準を維持
- 帰国生だけでなく、一般入試層からの支持も継続
これらの学校は、偏差値帯だけで見ると競合校が多いにもかかわらず、「グローバル教育」という明確な軸を持つことで、安定した人気を保っています。
・なぜグローバル教育校は選ばれるのか(仮説)
出願データと、我々の元に日々寄せられる保護者からの相談内容を重ね合わせてみると、いくつかの仮説が浮かび上がってきます。
仮説①「英語が得意だから」ではなく、「将来が読めないから」
かつて、国際コースといえば「帰国生向け」「英語が得意な子向け」というイメージが強いものでした。しかし今、その前提は大きく変わりつつあります。
- 日本の大学入試制度の変化
- 海外大学進学という選択肢の一般化
- 将来の職業像が見えにくい社会状況
こうした背景の中で、「日本の中高一貫校にいながら、将来の選択肢はできるだけ残しておきたい」
と考える保護者が、確実に増えているように感じられます。
仮説②偏差値だけでは“決めきれない”時代へ。
もう一つ、はっきりしてきたことがあります。今年の出願データを見る限り、単純に偏差値上位校だけが伸びているわけではありません。むしろ、
- 教育の方向性が分かりやすい
- 学校としてのメッセージが明確
- 他校との違いが、言葉で説明できる
こうした学校ほど、出願が安定しています。グローバル教育校は、
- 英語
- 探究
- 国際理解
- 多様性
といったキーワードを、教育の軸としてしっかり言語化できています。そのことが、「この学校は何を大切にしているのか」が伝わりやすい=選びやすいという評価につながっているのかもしれません。
・出願動向から見える保護者の関心の変化
今年度のデータから浮かび上がる保護者像は、次のようなものです。
- 「とにかく難関校」という一択ではない
- 日本型エリート教育に、何かもう一つ加えたい
- 将来、国内外どちらにも進める“余白”を大切にしたい
つまり、「グローバル教育=海外に行くため」ではなく、「選択肢を減らさないための教育」として、グローバル教育が捉えられている可能性が高いと言えます。
・今後の中学受験トレンドはどこへ向かうのか?
今回の出願状況を読み解くと、そこに見えてくる示唆は、かなり明確です。
- グローバル教育は、一時的な流行ではなく「定着フェーズ」に入っている
- 一条校 × 国際教育という形は、今後さらに評価されていく
- 学校側には、進学実績だけでなく
「どんな生徒を育てたいのか」を言語化する力が、これまで以上に求められるそして、保護者・受験生にとっても、「どこに入れるか」より、「どんな環境で6年間を過ごすのか」を考える時代に、確実に移行していると言えます。
・まとめ
2026年度中学入試の出願データを俯瞰すると、グローバル教育に力を入れている学校が、安定して選ばれ続けていることがはっきりと見えてきます。これは、単なる英語教育ブームや一過性の流行ではありません。
- 将来の社会がどう変わるか分からない
- 日本の大学入試や就職の形も、大きく変わりつつある
そんな時代背景の中で、「子どもの進路の可能性を、できるだけ早い段階で狭めたくない」という保護者の、静かで切実な思いが反映された結果だと感じられます。実際、近年は国内のグローバル教育校を選びつつ、
- 将来的な海外大学進学
- あるいは途中からの海外中学・高校への正規留学
といった選択肢を、最初から“可能性の一つ”として残しておく家庭が増えてきました。
ここで重要なのは、海外中高正規留学は「特別な家庭だけの選択肢」ではなくなりつつある一方で、情報の有無によって、選択できるかどうかが大きく分かれる分野でもあるという点です。制度、入学時期、費用、学校選び、サポート体制、等、これらは、いざ考え始めてから調べると、想像以上に時間がかかります。
だからこそ、中学受験を考える今のタイミング、グローバル教育校に関心を持った「今」この段階で「国内だけでなく、海外という選択肢もある」と知っておくこと自体に、大きな意味があります。
中学選びはゴールではなく、スタートです。「どこに合格するか」よりも、「どんな環境で、どんな未来への分岐点を持てるか」。2026年度入試の出願状況は、その問いを、これまで以上に私たちに突きつけているように思います。
もし少しでも、
- 国内グローバル校と海外進学の接続
- 海外中高正規留学という選択肢
- そのために“いつから何を知っておくべきか”
に関心を持たれたなら、今はまだ「検討段階」でも、情報収集から始めてみる価値は十分にあるはずです。




