日本企業のグローバル化が加速する今、求められる「人」の力とは
日本企業のグローバル化が加速する今、求められる「人」の力とは
こんにちは。今村です。
前回のブログでは、私の前職での経験として、日本企業の海外進出を支えるグローバル人材育成に携わってきたことをお伝えしました。今回はその続編として、「なぜ今、日本企業にとってグローバル人材がこれほど重要なのか」
を、公的データが示す“数字”をもとに整理してみたいと思います。
日本企業は、すでに「国内企業」ではない
まず押さえておきたいのは、日本企業の事業活動そのものが、すでに国内完結型ではなくなっているという事実です。
経済産業省や政府系金融機関の調査によると、日本の製造業大手企業(上場企業)における海外売上高比率は約4割に達し、過去最高水準を更新していますまた、海外現地法人の売上規模は100兆円を超える水準に達しており、特にアジア地域(中国・ASEAN)での存在感は年々高まっています。つまり日本企業は、
- 日本で作って日本で売る
- 日本人だけで事業を回す
という時代をすでに終え、グローバル市場・グローバル人材を前提に経営を行う段階に入りこんでいることは分かります。(参照データ:経済産業省HPより)
従業員構成も「グローバル前提」へ
事業だけでなく、人材構成にも大きな変化が起きています。海外拠点を持つ日本企業では、
- 海外現地での雇用拡大
- 外国籍社員の採用増加
- 海外拠点からの管理職・役員登用
が当たり前になりつつあります。実際、多くの企業が外国籍社員を採用しており、海外拠点で育った人材が、日本本社やグループ全体の中核を担うケースも珍しくありません。これは、「海外=出張先」ではなく、海外が“日常の職場”になっていることを示しています。=上司、同僚は日本人と限らないがあたりまえ。(参照データ:経済産業省HPより)
企業人事が新卒に求めるものは変わった
では、こうした環境の中で、企業人事は新卒学生に何を求めているのでしょうか。公的調査や企業アンケートから見えてくるのは、単なる「英語ができる人」ではありません。企業が重視しているのは、例えば次のような力です。
- 異文化の中でも臆せず意思疎通できるコミュニケーション力
- 正解のない状況で考え、判断し、行動できる主体性
- 多様な価値観を前提にチームで成果を出す力
- 海外や異なる環境での経験から学び取る力
語学力はあくまで入口であり、本質的には「環境の変化に適応し、自ら価値を生み出せるか」が問われているのが分かります。
グローバル人材として求められる主要スキルとは?
(A) 多様な言語・コミュニケーション能力
- 外国籍社員を採用している企業は約 89%。
→ 多言語対応、文化間コミュニケーション能力の重要性が明示されています。
(B) グローバルビジネス理解・海外経験
- 海外拠点からの抜擢役員が 約50%近く存在。
→ 国際ビジネス理解・海外現場経験が評価されている。
(C) グローバル人事ポリシーへの順応
- 世界各地域で共通の人事原則(グローバルポリシー)を運用する企業は 約40%。
→ 多国籍な人事制度への対応力が重視される
参照データ:一般社団法人 日本在外企業協会HP掲載資料
グローバル人材育成は「いつ、どこで」行うかが重要
グローバル人材育成について語る際、「若いうちでなければ意味がない」「後からでは遅い」といった表現を目にすることがあります。しかし、前職で多くの企業の人材育成に関わる中で感じていたのは、社会人になってからのグローバル研修にも、確かな価値があるということです。実務経験を積んだ社会人が海外研修に参加すると、
- 自社のビジネス構造や役割を理解したうえで学べる
- 異文化の中での交渉や意思決定を、実務と直結させて考えられる
- 帰国後、組織に知見を還元しやすい
といったメリットがあります。実際、多くの企業にとって、社会人向けのグローバル研修は今後も欠かせない取り組みです。一方で、そこで育てられる力と、10代のうちに身につく力は、性質が異なるとも感じています。
10代での経験が育てる「土台の力」
中学・高校年代は、価値観や物事の捉え方、他者との距離感が大きく形成される時期です。この時期に、
- 言語や文化が異なる環境で生活する
- 「日本の常識」が通用しない場面に日常的に向き合う
- 自分の意見を持ち、言葉で伝える必要に迫られる
こうした経験を積むことで、異文化を特別視せず、自然に受け入れる感覚が育っていきます。
これは、「スキルとして学ぶグローバル対応力」ではなく、思考や行動の前提としてのグローバル感覚と言えるかもしれません。
進学・就職を見据えた選択としての中学生・高校生正規留学
ここまでご紹介してきた日本企業の著しい変化は、将来お子さまがどの大学に進学し、どのように社会へ出ていくのかと無関係ではありません。企業が新卒採用で重視しているのは、学歴や資格だけでなく、環境の変化に適応し、自分の考えを持って行動できる力です。これは一朝一夕で身につくものではなく、これまでどのような環境で学び、どのような経験を積んできたかが大きく影響します。中高正規留学で培われる力は、海外大学進学を目指す場合はもちろん、
日本の大学進学やその後の就職活動においても、確実に評価される要素となります。
- 多様な価値観の中で学んだ経験
- 自分の意見を持ち、言葉で伝える力
- 異なるバックグラウンドの人と協働してきた実体験
これらは、総合型選抜や推薦入試、さらには就職活動のエントリーシートや面接の場でも、
「その人ならではの強み」として語ることができます。中高正規留学は、進学ルートを一つに限定するものではありません。むしろ、国内進学・海外進学のどちらにも対応できる選択肢を広げる経験だと考えています。
将来の進学や就職を見据えたうえで、「どの大学に行くか」だけでなく、どのような環境で成長の土台をつくるか」を考えること。その一つの選択肢として、中高正規留学を捉えることが大切だと考えます。




