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ボーディングスクール留学 初年度留学生、9月の重要事項
北半球で留学生活がスタートする9月、新入の留学生たちは日本の学校文化との明確な違いを体験する期間です。英語圏の中・学高校においては、大学と同様に初めの1週間は科目の変更が可能なのが一般的です。日本からの留学生の場合、問題は英語力にあることがほとんどですから、数学などはこの調整期間に上のクラスにゆく生徒が実際にいるのです。中学校3年生で留学した生徒を例に取ると、英語力は小学生のレベルであっても、数学は高3レベルということになります。
英語力に関しては、SLEPやTOEFLのスコアを提出していても、学校独自のプレイスメントテスト(レベル分けテスト)を学内で実施し、留学生用の英語クラスを決めることになります。ESLクラス(留学生用英語クラス)のない学校では、個別あるいはグループ指導の時間割をこの期間に決めます。最近は読み書きが得意で、話す聞くが苦手という日本人留学生の典型的なパターンはなくなりつつあります。むしろ、話す聞くはある程度はできるが、読むスピードが遅く、書くにいたってはゼロから考える必要があるというのが現実です。
体育、芸術科目などで、生徒数が定員をオーバーすると、他の科目に振り分けられるということも珍しくはありません。自己主張を理路整然と行う習慣のない日本人留学生は、必然的に不本意なクラスに甘んじるということも起こり得ます。
先生が移動せずに生徒が移動するという状況も、広大なキャンパスと相まって、遅刻を余儀なくされる場合もあります。質問に熱中していたら、次のクラスに遅れてしまい、先生から「厳重注意を受けた」ケースなども報告されています。同じ間違えを繰り返さなければ、遅刻が本人の学習履歴に大きな影響をあたえることはないでしょう。
3期制のスポーツ選択も留学生にとっては戸惑いが隠せません。まず、日本のクラブ活動のように1年中同じスポーツを放課後に行うということは留学先ではあり得ません。アメリカの場合、バスケット、アメリカンフットボールのレベルは異常に高く、日本人でレギュラー(バーシティーと呼ばれます)を取れる生徒はまれと言えるでしょう。野球は日本のレベルもかなりもので、ピッチャーなどで地元の新聞の一面を飾る留学生はたくさんいます。サッカーはダントツで日本が上です。
日々のスケジュールが明確で、生徒が移動せずに、先生がクラスに来てくれる日本の学校においては、生徒が学習できる環境を自分で作る必要はありません。生徒たちは黙っていても、先生は丁寧に、教科書を解説し、「試験に出る」重要事項はボードに板書し、生徒はそれをノートに書き写す。
ところが、英語圏では生徒がとにかく、動かされます。考えさせられます。すべて、「なぜ」という発想に答えるのが、英語圏文化の日本と違う特徴のように思います。さらに、生徒たち自らが自分にあったクラスを最初の1週間で固定し、スポーツ、アートクラスを選択し、ルームメイトとの折り合いを調整するなど、「私」という主体がいつも動作を起こさないと始まらないのが、ボーディングスクールと言えるでしょう。
学校という組織を使うと考えるのが英語圏で、学校で教えてもらうと考えるのが日本といえると私は考えます。日本の学校生活は完全にリセットすることになります。そして、留学生にとって、
「教育は日常」
という状況がスタートします。

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