日曜コラム 心に良く効く特効薬
あるお母さんとの会話です。
―留学が始まりましたが、本人の様子はどうですか。何か連絡がありましたか。
「留学したばかりの時はネガティブな意見が聞かれましたが、今はもう大丈夫です」
―そうですか。留学させて良かったですか。
「はい、もちろんです」
―日本の学校に無理やり適応することで悩むよりも、アメリカのオープンさが彼には合っているように思います。これから、かなりのスピードでボーディングスクールライフに順応していくと思います。もちろん、英語力もアップしていくでしょう。
「そう思います。留学は正解でした」
さて、このお母さんがあるセミナーでスピーチを行ったのが、
今年の春先でした。
本人がサマースクールに行くときに、アメリカ大使館のビザ発給システムに
トラブルが発生し、急遽、大使館からパスポートを回収して、
エスタでアメリカに入るというハプニングがありましたが、
本人は、サマースクールもその後のレギュラースクールもほぼ順調です。
お母さんのスピーチのこころに良く効く3つの特効薬、
これは私が後付で考えたのですが、私も時々、カンフル剤として、
思い出しては使っているので改めてご紹介させていただきます。
特効薬1:ありがとう―これを口に出して言うと、こころが安らかになります。
毎日、折に触れてありがとうと言うことで、感謝の気持ちも身につき、元気も出ます。
一見不愉快と思われるようなことも、ありがとう教えてくれて、
ありがとう、今気付いてよかったということで、こころが豊かになります。
特効薬2:大好き―子どもの留学をめぐって、夫婦が対立することもあります。
それでも、大好きと思い切って口に出すことで、ともすれば口数が減り、
ぎすぎすするお互いの関係が改善されるそうです。
英語であれば、I love youなのでしょうが、日本では「愛している」はちょっと、
ストレートすぎるようです。大好きと言うには勇気も必要なようです。
特効薬3:ごめんなさい―あれこれ議論や言い訳をするまえにごめんなさいと
言ってしまうことは、自分の非を認めることですが、問題の焦点は、
自分ではなくて「子ども」のことです。
お互いにわが子を愛しているわけですから、成功することをゴールにすれば、
その途中で非もあれば是もあると思います。
大きなゴールに向かう途中ですから、なるべく遠回りを避けるために、
ごめんなさいはとても効果的だと思います。
これを実践されているお母さん、電話でしたが、張りのある元気な声を聞けて、
私は「ありがとうございます」と電話を切ってからつぶやきました。
感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。