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文化比較 異文化適応へのステップ1

1年というサイクルで留学生の異文化への適応ステップを考えてみるとおおよそ4段階に分かれると思います。
最初の段階は留学当初の混沌期ですが、インターナショナルスクールに日本で通学していたとか、留学以前にも親の仕事等で海外経験が1年以上あるような場合を除けば3か月くらいは、留学生にとってもっとも危険な時期ではないかと思います。授業の仕方、生活のパターン、食事、人間関係など、あまりにも急激に変化するので、対処しきれないのは、当たり前と言えると思います。
この時期を超えると、まず英語が少しずつ理解できるようになってきます。それに伴い、友だちの輪も広げることができます。それは、言葉によってもたらされるのではなく、スポーツ、音楽、芸術などいわば、主要授業以外の自分が得意とすることを媒介としたコミュニケーションによってもたらされるといえます。
たとえば、野球、サッカーなどのチームスポーツを留学生が得意とした場合、音楽ではピアノ、バイオリン、ギターなどの楽器が得意な場合、芸術では絵画、写真などが得意な場合は、言葉よりもはるかにこれらの自分だけの固有の技術が生徒たちとのコミュニケーションを増長してくれます。
それに伴い、留学生は自分に自信を持つようになります。日本の学校生活と違って、留学は親もとから離れた総力戦です。英語に相当なハンディがあります。利用できるものは何でも使う、そして積極的になることで、留学後半年くらいの結果はかなり違ってきます。
一般的には、ある程度、英語も理解でき生活にも慣れてくる留学後3か月くらいから、生活は消極的になります。日本人同士で自由時間を過ごす、あるいは授業以外の活動もあまり積極的に参加をしないということになります。
おそらく、当の本人は無意識にそのようなサイクルに導かれていくのだと思います。たとえば、昼食の時のグループをみればそれは明確です。日本人だけでなく、中国人、韓国人、メキシコ人、ロシア人など、ある程度の人数が集まれば、留学生たちは自然に昼食、夕食時などは、個別のグループになります。
それが彼らにとって精神的に安定をもたらすからでしょう。
このサイクルを断ち切るために、ボーディングスクールでは、昼食、夕食時に席順を決めたりもしますが、それでも、寮での自由時間や土日の自由時間などまで、留学生が国ごとに固まることまでは規制できません。
つづく

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