英語力と生きる力 8 英語圏教育システムの特徴
<前日のブログに続きます>
日本に比べると先生の役割分担が明確といえる英語圏のボーディングスクールですが、インターネットの発達に伴い以前は学校がやっていたことを外注することがより多くなったと思います。
先日のブログでも述べましたが、生徒の健康関連情報を管理するマグナスヘルスなどはその典型と言えます。また、入試に関しても共通願書によるオンライン入力システムは自校のもの、SSATサイト、Gatewayサイトとアメリカの場合3通りの方法での出願が可能です。
余談ですが、授業料の支払、教科書の購入も外注によって行われることが多くなりましたが、それによってなんと現地に夜の10時に電話してもオペレータが対応してくれるようになりました。
これらの民間会社のサービスは徹底しています。対応は丁寧でこちらのニーズを満たしてくれる情報提供および処理をしてくれます。事務的な対応がそっけなく、丁寧さに欠ける英語圏一般の常識からすると、「これがアメリカか」と言いたくなるくらい日本的に丁寧な言葉使いです。
昼間でもスタッフと話せることは稀であるボーディングスクールと比較して、驚異ともいえる事務仕事の改善と言えます。
もう一つ改善著しいのは、ボーディングスクールの食事です。10年ほど前までは、日本的感覚からすると何とも評価のしようがないほど、おいしくない食事でしたが近年、その改善が著しいのです。関係者によると、食事も外注にしたからだといいます。そうすることで、食事を作る会社が数社お互いに競争するので、食事の質が向上したというのです。
不十分なところは、改めるということがある程度のスピードで実践されるところにボーディングスクールの行動力を感じます。
一般にボーディングスクールでは、先生は教えるだけでなく、なんらかのスポーツを担当するコーチと寮での役割を課せられると言われますが、一クラスが15名ほどであることや学校の全体人数が4学年で300名前後であることを考えると、日本の先生よりもボーディングスクールのほうが、ひとりの先生が面倒みなければいけない生徒の数はかなり少ないと思います。それ故に、生徒対先生の関係がより親密になれます。また、先生の7-8割がキャンパス内に住んでいるので、勉強と共に、そこは小さな社会として機能していると思います。
この学校社会という生活一体感がボーディングスクールの最大の特徴と言えると思います。