留学から帰国する生徒の受け入れ 5
<前日のブログに続きます>
1年間の留学を終えた生徒の日本の学校への復帰をめぐるブログ5回目になります。
現地で学習した科目の「単位の認定」が日本の学校に転入する生徒受け入れの決め手となると思っていたのですが、これは私の勘違いでした。
私のお世話する生徒が転入を希望している高校の教頭先生と、留学先校から必要な書類について再度電話で話したのですが、結論から言うと1年間の留学を認定して2年時からの入学が結局のところ難しいようです。
「難しい」という言葉を突き詰めていくと、そのための入学審査がYesなのかNoかとなりますが、その解答は電話では得られませんでした。
私ができることは、本来、志願者本人が出願に必要な書類を、留学先校に正確に伝えて作成してもらうことですが、成績証明書の中身について、私が言及することは、相手の学校にしてみれば好意的には受け取れません。本来であれば、学校間のやり取りであり、コンサルタントが介入すべきことではありません。
日本の学校が要求する「単位」が解るように成績証明書を作り変えてもらうことは、かなりの無理なお願いです。それをあえてチャレンジしてみたい私は、該当する生徒が1年間現地でしっかり学校生活を送り、学業のみならず生活態度も学校にとても評価されたことによります。また、それを受けて、日本の受け入れ側も「どうにかしてあげたい」という教育者としてのマインドがあるからにほかなりません。
「英語圏の国への転入であったらなあ」とつくづく思います。彼らの学校文化では、生徒そのものを直視します。学習履歴や推薦状もボーディングスクールの入試考査に必要ですが、審査の中心に生徒があります。当然のことながら、志望の動機、入学後何をしたいか、卒業後の進路など、アドミッションスタッフが納得できる回答があれば、合否決定はそれぞれの学校の規定通りに行われます。
入学学年についても本人の英語力、成績からアドミッションスタッフが主体的に判断します。入学させる学年をボーディングスクールが教育委員会や州や政府の教育省に問い合わせたり、伺いを立てたりすることはありえないと思います。また、大学がボーディングスクールに対して、出願者の学習履歴について尋ねることもありません。
外から入ってくるものに対して、敏感な日本の組織ですが、教育改革がかなり前から叫ばれているなかで、その根本にある考え方が変わらないと改革ではなくて、調整程度の対策で終わってしまうと思います。