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留学から帰国する生徒の受け入れ 6 結論

<前日のブログに続きます>
高校1年生として1年間の留学を終了して帰国する生徒に対する日本の高校での受け入れについての結論は、「2年生としての受け入れはできない」ということでした。私は結局、留学先校に日本の高校が要求する成績証明書を作成することを依頼することもなく、出願先校の校長先生ともお話ししませんでした。
この結論は、留学を終えて帰ってくる生徒のお母さんから聞きました。
残念ではあるけれども、結論が出た以上、こころのスイッチを切り替えなければいけません。私はお母さんに留学中の本人とこれからの進路について、より詳しく話しをすることを勧めました。
第一に、日本での学校選択は高校1年生から入学することを大前提として行うことです。1年間の留学でその単位を認めてもらい、2年生ということは、英語圏の学校では当然のこととして行われていますが、日本の学校ではそうではありません。
能力評価の基準が、英語圏では受け入れる学校が主体的に行いますが、日本では「制度」、「前例」というお手本が希少なため、大学までもが「留学制度」の運用に関して、高校に物申すという現状があるようです。
組織やシステムと争うことがどれ程、精神的な負担になるかを考えると、もとの学年への復帰がいいと思います。
第二に、この1年の経験を将来生かすという希望と目標を持つことです。今、本人はインドにいます。留学先校の春のプロジェクトとして、インドの山間の街を訪問して、そこで生活体験をしています。昨年の秋から留学して8か月が過ぎました。この間に、本人は英語を覚え、フランス語にもチャレンジし、40か国あまりの国から集まった生徒と友達になり、学校が企画する小旅行でいくつかの国を訪問しました。
不平、不満は一切言わず、学校生活を楽しみ、努力を重ね、現在に至っています。この経験が本人の将来にもたらす影響は計り知れません。
第三に、勉強の幅を拡げることです。留学には、まったく新しい環境に適応するという日本の学校生活にはない要素があります。そこには、今までの「覚える」勉強から、「考える」勉強に頭を切り替える作業が欠かせません。それが、おそらく、本人のこれからの人生で最大のプラスと私は思います。
暗記したものは、使わなければ消えていきます。興味がなければやはり消滅するでしょう。しかし、自分で考え、自分で解決するというプロセスは暗記と違って、一生の本人の精神的財産です。
以上の話をお母さんと共有しました。高校を終えた時、どんな進学先を本人が選択するか、またその時に、本人と世界の高等教育について、アドバイスができることを期待したいと思います。

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