留学コンシェルジュ

教育の多様性を考える 8 英語習得のメカニズム

<前日のブログに続きます>
留学して1年と4か月ほどの生徒を例にとって英語力がゼロからどのようにして伸展するかを考えています。
昨日のブログでは、英語圏のボーディングスクールへの留学によって、日本での英語学習の6-7倍のスピードで英語が習得できると書きましたが、人間の潜在能力(ポテンシャル)はその数十倍の力を持っていると私は確信します。
ボーディングスクールでの生活を通じて英語を使うことで、その基本をゼロから学んだ生徒に、留学がスタートして半年が経過したころに英文法を教えましたが、その基本を教えるのに要した期間はほぼ一週間です。私が費やした時間は10時間程度でした。それだけで、英語の基本は教えることができてしまうのです。その理由は、本人が生活のなかから蓄積した英語知識の整理をしてあげればいいというだけだからです。
関係代名詞も、条件副詞節も、不定詞の用法も、ボーディングスクールの日常で使いますから、それらを体系づけるだけて、本人は納得しますし、独習の基本を作ってあげることもできます。
問題は、身につけた知識を整理整頓するだけの「意欲」があるかどうか、またそれに取り組めるだけの好奇心や元気さ素直さを持っているかどうかです。
文法的な学習が意外とすんなりいったことに私は気を良くして、ESLでない7年生のための課題図書を本人に読ませました。留学して半年ほどたった時期でした。ところが、文法事項と打って変わって、代名詞が日本語よりもはるかに多く、作者の意図が随所に込められている小説の解釈は驚くほどにできませんでした。1行ずつに分解してしまっては小説の意味がありません。
英語理解が作業でなく自分の関心や意思が重んじられるようになる時、勉強があらたなステージに入ることを強く感じました。
あれから7か月が過ぎました。本人の英語力は7か月前から比べると、また飛躍したように思えます。この間の留学生活のなかで、特別なことがあったわけではありません。ボーディングスクールにおいては、前述したように週末でない限り、1日4時間も5時間も自由な時間などありません。
そのなかで、毎日、宿題をこなしたり、授業の準備をしたりで生徒たちは忙しいわけで、なかなか英語そのものの理解力を増すための努力に時間をかけているわけにはいきません。それでも、留学生たちは、しっかりと学力(英語力)を伸ばしているのです。
必然的な学習環境における無意識ともいえる学力の獲得、その研究を私はこれからも自分の大きな課題として追求していくつもりです。

関連記事

関連キーワード

留学コンシェルジュ

TOP

株式会社KITE小学生・中学生・高校生専門の海外留学サポート イーコンシェルジュ / 運営(株)KITE〒102-0082 東京都千代田区一番町6 相模屋本社ビル7FTEL 070-8381-6486