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日曜コラム 息子は養蜂家

私の息子が養蜂家として独立してから1年と半年余りが過ぎました。
大学の時に蜜蜂研究会というサークルに属していたのですが、
社会人として、一年を経て結局、好きが高じて、それがかれの仕事になりました。
養蜂は業種別にみると純然たる農業です。
これからの時代に第一次産業に従事して成り立つかどうか、
私も家内も息子の独立にあたっては狐疑逡巡の思いがありました。
「どうしても養蜂家としてやっていきたい」という息子の意思に
結局私たち夫婦はオーケーを出しました。
ホームページを作る際のコンセプトは、蜂蜜の単なる商品紹介ではなく、
息子の蜜蜂に対する思いや知識、さらには養蜂家の日常も紹介するようにしました。
しかし、完成したウェブは家で言えば、家具も調度もない状況で、
はたしてこれでやっていけるのかというようなものでした。
それもそのはずです。彼がこつこつとウェブに情報を加えることで
機能するようにというアイディアは私が出したのですから。
あれから、1年半、想定外のこともたくさん起こったようです。
長雨、猛暑、大雪、蜜蜂の病気など、自然を相手にしているがゆえに、
一つひとつ困難を乗り越え、またそこから学ばなければなりません。
彼は千葉の君津市の郊外を根拠地としています。
野生の猿、猪、兎、イタチ、ハクビシンなどがいる地域だそうで、
いつもヤマに入るために、かならず野生の動物を目にするそうです。
スタート時は、養蜂業だけでは生活できないので、ガソリンスタンドで
アルバイトをして生計を立てていました。
それから少しずつですが蜂蜜生産量を上げていき、
採蜜の場所も家内の実家(岩手県浄法寺町)に協力してもらったり、
千葉の同業の人たちと共同したりして拡大しているようです。
季節と共に仕事の場所を移動するというのは、私の世代で言うと、「寅さん」です。
日本の養蜂家も年々、高齢となって廃業する人が多くなっているようです。
それでも、息子は養蜂家としての道を歩んでいます。
好きなことを仕事にできることが、彼にとっては幸せなのでしょう。
始めはがらんとしていた息子のウェブページですが、情報量を増やすことで、
外見ではなく、内容に対する問い合わせが増えているようです。
これからも蜜蜂を通じて自然を理解し、
それと共存できる道を追求してほしいと私は思っています。

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