その2 書く力をつけるために - 小学・中学・高校留学
<先週金曜日のブログに続きます>
文章表現がこれから増々重視されるということをサポートする事実として、SAT、TOEFLにWritingが課せられたことを先週、金曜日のブログで述べました。この2つのテストは本来4択問題ですが、Writingばかりは4択にできません。その採点もコンピュータではできないでしょうから、人間が一つひとつの答案を一定の基準に基づいて採点しなければなりません。受験者の数の多いSATにおいては、膨大な手間のかかる作業を余儀なくされるわけですが、それでもあえて、Writingセクションを作ったということは、明らかにこれからの社会のニーズを反映していると言えないでしょうか。
日本では、若者の文章離れ、書く機会の減少が言われているようですが、グローバル社会においては、書くことはこれからより一層教育のなかで重きを置かれていくと思います。
ボーディングスクールでは、書くというアウトプットは、とても重視されている教育内容です。また、書くことを伸ばすためには、その根拠となる情報収集に関しても学習しなければなりません。そのためのリサーチには、インターネットの活用は必須ですから、ボーディングスクールでは、コンピュータを使えることは、当たり前と捉えられています。ノートパソコンやI-padを入学時に支給する学校も珍しくありません。いずれ近いうちに、ジュニアボーディングスクールにおいても、コンピュータの支給はなされるのではないかと思います。
宿題の提出、先生とのコミュニケーション、日々の授業内容の確認などにもパソコンは必須ですから、コミュニケーションの媒体としての文章表現が英語圏で重視されるのは、教育上、当然の帰結といえます。
日本の場合、教育の中身をいくら改革しても、クラス人数や入学試験という学校の基本が変わるわけではないところが、ボーディングスクールの教育と大きく異なると思います。
教育の根本を変えずに良い教育を目指そうとすれば、その内容は観念的、理想的な理念がかなり先行し、いざ実行段階になると生徒ひとり一人がその恩恵を受けるところまでに到達していないというのが現実ではないかと思います。
書く力を増すためには、十分な素材の提供とその吟味が必要です。それらは、お仕着せのものではなく、生徒ひとり一人が本当に興味を持ち、熱心に調べられるような機会の演出が必要です。
1クラス40名の一人ひとりに丁寧な書き方指導を行うことは、とても時間のかかることです。
(つづく)