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ESL授業と英語学習 - ボーディングスクール留学

ボーディングスクールでの英語学習と日本のそれとの明確な違いは、授業の運営の仕方です。英語圏にはいわゆる学習指導要領といった全国共通の基準はありません。ESLに関していくつかの方法論は、発表されていて、教材も作られていますが、普遍的な教科書といったものはありません。
ESLクラスは多くても10人程度ですから、先生が一人ひとりに割ける時間が日本のクラスとは全く違います。その分、先生と生徒との対話が活発になります。結果として、先生の誘導によって、生徒は多くの知識を吸収することになります。もちろん、知識だけではありません。考え方や問題解決の方法も学習します。
先生との対話の多さは、知識詰め込み型学習には不向きです。対話というのは、相手があって成り立つものですから、先生と生徒とのコミュニケーションは、必ずしも「授業のねらい」に沿ったものではなく、余談である場合も多くなります。たとえば、あなたに対する質問というテーマで、生徒に自分を考えさせ、表現させるという授業を例に取ると、質問事項は30以上になります。
・あなたの好きな色は何ですか
・兄弟姉妹はいますか
・海外旅行をしたことがありますか
・好きなスポーツは何ですか
・音楽は好きですか
この作業はESLの初級で行われたのですが、先生が一つひとつの質問を解説し、生徒から回答を導くという単純なクラスにはなりません。初めの5項目くらいを各生徒に質問して、答えを引き出します。その際、先生は冗談や生徒に対する突っ込みを駆使して、生徒たちをやる気にさせたり、テーマに対する興味を喚起させたりします。そして、残りの9割あまりの質問は宿題にするのです。
ESLクラスというのは、生徒が英語に慣れるためのパイロット的な役割を果たしていると思います。生徒が英語を学ぶ方向や量を授業で指示し、彼らに授業外の時間を使って知的労働をさせるわけです。このパターンで授業が行われるがゆえに、授業以外の時間を使って先生に「質問をする」ということが生徒にとって重要になります。

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