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ボーディングスクール留学 学校改革2

<前日のブログに続きます>
アメリカ、マサチューセッツ州にあるWinchendon Schoolの学校改革について、施設、クラス人数等について先日のブログで述べました。引き続き、John Kerney校長の学校改革について、生徒のニーズという面から見ていきたいと思います。「数学がどのように生活に役立つのか」、「歴史は暗記と知識だけで、試験がおわればみな終わり」という生徒の本音をKearny校長は無視しませんでした。
数学のための数学、試験のための公式、数式暗記という視点から外れて、日常のなかで役に立つであろう数式や、自然界の運動を数式で表すなど、自然科学との連携で生徒の興味や好奇心の刺激を追求した授業を展開しているというのです。
歴史においては、学校の地の利を生かして、ボストンの博物館や歴史的な建物などを実際に見に行くという能動的学習を取り入れたということです。
成績が悪い生徒に対しては、日々の学習指導を徹底し、通常であれば、「質問に来なさい」で終わることころを、毎日の個別学習指導をオプションでなく実施しているというのです。その結果をウィークリーレポートで親に送ります。ほとんどのボーディングスクールが有料で個人教授を学内で実施するなかで、この学校は無料でそれを実施していることになります。
生徒の意見を聞き、それらに対する学校の対応のすべてが学校改革に寄与するわけではありません。数学知識の日常への応用や、歴史に対する活動的な試みにすべての生徒が学習的成果を上げるわけではありません。
しかし、今までの学校スタッフの話として、「テストが終わればすべてを忘れる」という生徒の本音を代弁し、それに対する具体的対策を実行していることを述べたのは、Winchendon SchoolのDavid Flynnさんが初めてです。
それは、生徒を中心とした学校づくりという新たな価値観への挑戦です。
Winchendon Schoolの学校改革はまだ進行中です。結果はあらわれています。現在この学校の寄付金総額は25ミリオンドル(約24億円)で、Boarding School Reviewのリストにある平均寄付金額、14ミリオンドル(約14億円)を大きく上回っています。この数字は学校経営が財政面で安定していることを示しています。
さらに、総生徒数が現在255名、6年前から55人増えました。中国からの留学生は現在65名とのことですから、6年前の半数です。そのうち30名ほどが2014年6月に卒業します。日本からの生徒は1名です。
生徒が中心という学校の価値観は、当たり前のように思えますが、実際にはとても難しいと思います。その中で、Winchendon Schoolのチャレンジはグローバル時代に対応し得るものとして注目に値すると思います。

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