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◆ IB(インターナショナルバカロレア)プログラムについて4

<前日のブログに続きます>
アメリカの超難関ボーディングスクール、テンスクールズや日本の偏差値のきわめて高い高校でIBプログラムを導入している学校はありません。彼らの目標であるところの難関大学入学は既存の教育でうまくいっているからではないかと思います。
もし全人格的な教育が今後重視されるのなら、大学受験のためのスペシャリストの養成でなく、IBプログラムをしっかりと考えてほしいと私は思います。おそらく、アメリカのボーディングスクールは異口同音に、自分たちのカリキュラムとIBプログラムの類似性を主張するでしょう。
では、日本の学校はどうでしょうか。世界ランキングで上位が取れない日本の大学に入学することのみをターゲットにするのではなくて、世界の大学を俯瞰できるようなところに、IBの魅力が潜んではいないでしょうか。
IBはその創立が70年代です。先進国の中等教育の歴史と比較してとても若く、斬新な内容を盛り込むことが可能になりました。その運用が現実的にスタートしたのは80年代になってからですから、それ以降で世界の3000以上の世界の学校に普及したのは画期的といえると思います。
IBが教育者を引き付ける理由は、大学受験対策に捕らわれることのない、学問に対する好奇心、探究心を養い、それを学術的に支えるための技術やノウハウを徹底して生徒に学ばせることであると思います。さらには、社会貢献や先見性なども盛り込まれた科目の垣根を平気で飛越す実践性はとても素晴らしいリベラルアーツであると思います。
できることであれば、丸ごとそれを使いたい、そして早く実績に結び付けたいと日本の中等教育に従事する人は考えるに違いありません。しかし、IBが英語で行われる以上、日本の風土のなかで、そのプログラムを導入することは、絵に描いた餅です。
IBの方法論を日本版に焼き直して、日本の生徒が無理なく適応できるプログラムを作ることはできないものなのでしょうか。
私はそれが可能であると信じています。では、誰がいつやるのか・・・。「今でしょ」と言いたいのですが、少し先になります。それをやるのは、英語圏文化を知り、日本の良さも理解し、異文化生活で苦労して鍛えられた中等教育機関への日本人留学生たちのなかから出てくる・・・、私はそんな思いでこの仕事に取り組んでいます。

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