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◆ IB(インターナショナルバカロレア)プログラムについて3

<前日のブログに続きます>
日本の学校のIBプログラム導入を私はチャレンジとは思うものの、具体的な運営とその効率の面からいうと疑問に思わざるを得ません。
日本の私立でIBを導入した学校6校はその必然性がどこにあるのでしょうか。基本的には日本人生徒のための学校ですから、その大半は日本語で授業を受けている日本の文化で育った生徒たちです。その中に、海外で教育を受けたバイリンガルたちが少人数でIBの授業を受けることになります。
なぜ、IBプログラム受講者を海外で教育を受けた生徒に限定するかというと、IBは基本言語が英語、フランス語、スペイン語のいずれかですから、日本の場合英語という選択になるわけです。すなわち、英語に十分に堪能でなければ、IBプログラムのいずれのコースもこなすことはできません。
日本で教育を受けた生徒でIBを目指すということは不可能ではありませんが、生活言語が英語でないなかで、どのようにしてすべて英語で行われるIBの授業をこなせるでしょうか。もし、「大学は海外で」と考えるからIBプログラムであるならば、現実的にはTOEFL、IELTSのための準備に専念したほうが合理的です。
同じ学校に基本言語が違うプログラムがあるというところがとてもユニークです。確かに、日本の中等教育機関へのIB導入は、異文化で教育を受けてきた生徒のための救済的な措置と言えないことはないでしょうが、むしろ異文化で教育を受けた生徒は、教室内と教室外で文化が違うような学校に入学を希望するのかと私は思います。それであれば、インターナショナルスクールや海外の学校のほうがよほどなじみやすいのではないかと思います。
郷に入りては郷に従えの論理で、異文化で教育を受けた生徒を、その学校の方針に基づいて教育を受けさせるべきではないかと私は思いますから、あえてIBプログラムの作り、そこで彼らのための教育を行うということが、どのような学校の方針に基づくのか良くわからないのです。
アメリカでも日本でも入学難易度の高い学校はIBを導入していません。この事実は何を意味しているのでしょうか。
つづく

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