●★ 留学後の進学指導 1
南半球の学校を今年度卒業する生徒にとって、この夏の時期はとても忙しい時です。オーストラリア、ニュージーランドの中等教育機関へ留学した生徒は、進学先を日本の大学に決める傾向があります。そのような生徒の多くが、最終学年の第2学期と第3学期の間の休みに帰国して、出願校の受験対策のために予備校に通うのです。
北半球で夏休み明けに最終学年を迎える生徒は、新学期に入ると、AOによる大学受験がスタートします。出願校の絞り込み、共通願書のオンライン入力、カレッジカウンセラーや推薦状を書いてもらう先生との打ち合わせ、そして、志望の動機など自己アピールのためのエッセイの作成など、一般の授業を通常通りにこなしながら行わなければいけません。さらに、スポーツや芸術、学校行事も最上級生としての責任を全うしなければならない場合も多々あるようです。
大学入試のための作業、プラス通常の学校生活、さらに責任ある立場とそれ故の活動がボーディングスクールの最後の学年の課題です。
ボーディングスクールの最上級生は、感謝祭休みもクリスマス休みも受験のためあるいは学校のために奉仕することなどもあり、合格が決定する翌年の春先まで、とても忙しい日々を過ごすことになります。
ニュージーランドの私立(Integrated schools)と、アメリカボーディングスクールを比較すると、進学指導の徹底さにおいて、あきらかにアメリカボーディングスクールが優っていると思いますが、いずれの国においても学校の機能と人材を最大限に生かすかどうかはあくまでも生徒にかかっています。
また、進学指導にあたる担当者は、アメリカボーディングスクールの場合、カレッジカウンセラーという専門職がありますが、ニュージーランドの場合は、留学生をお世話する責任者がその任にあたるというのが現状といえます。
いずれの担当者も、自国の大学については、明確な知識と経験がありますが、日本の大学受験についての知識は皆無です。出願準備、必要書類の作成、そして受験はすべて留学生本人が自ら考え、必要な人を探し出して必要なアドバイスを受けるしかありません。その意味では、日本の大学受験は親の協力が必要とされるケースが多いと思います。
つづく