● ニュージーランド留学―教育制度2 カリキュラム
ニュージーランドの中学、高校で学習する具体的な内容について、考えてみたいと思います。まず全体を俯瞰するために、分野ごとに科目を網羅します。
国語(英語)
英語学習、メディア学習、視聴覚テキストによる学習、文字テキストによる学習など
人文社会科目
地理、歴史、経済、古典学習、会計、観光など
数学科目
代数学、微分積分、統計学、応用数学など
外国語科目
フランス語、スペイン語、マオリ語、日本語など
テクノロジー関連科目
デジタルテクノロジー
素材テクノロジー
製品デザイン
芸術科目
演劇、音楽、美術、写真、アートデザインなど
専門技術
農業、商業、機械技術、ホスピタリティー、料理栄養、美容など
体育
各スポーツ、屋外教育など
上記のうち、Year7から10までの日本で中学にあたる学年では、日本と同様に各科目の概要を学びます。すなわち、国語(英語)、数学、社会、理科、芸術、体育、専門技術ですが、これは日本と英語圏に共通する学習内容と思います。ただし、英語圏の場合、国が定めた指導要領に従って教科書が作成され、それを学習していくというやり方が日本のようには徹底していないのが現実です。義務教育ですから、基本的に落第もありません。したがって、Year11から始まるNCEA以前の学習は、留学生の場合、いかにして英語力を養うかに焦点が置かれます。
日本で中学校を終了して、ニュージーランドに留学する場合を考えてみます。選択する学校によっては、英語力不足を補うために、強くYear10からスタートすることを勧められます。この場合、国語はESOL(English for Speakers of Other Languages)で置き換え、数学は現地生徒と同じクラスで行い、人文社会の科目はパス、外国語は日本語が話せるから取らなくてもよく、技術系、音楽芸術系、そして体育の科目を取得するという構成です。
Year11から13まではNCEAにのっとり、80単位、60単位、60単位の必須学習項目をこなさなければなりません。ただし、この単位制は、日本やアメリカの単位とは根本的に違います。
ニュージーランドの場合は、Year11以上の学習科目には、それぞれに達成すべき内容が決められて、それに対して単位が与えられるというシステムです。たとえば、Year11の数学であれば、一元一次方程式ができて4単位、幾何の証明問題のある難易度をクリアすれば6単位などというように、達成すべき項目が事前に決められているのです。
つづく