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○子どもたちの秘められたちから5 好きなことと大学 

異文化のなかで暮らしていると、考え方や生活のパターンが変化してきます。ある絵を得意とする生徒が自分の作品を、現地で生活している日本人に見せたところ、「こんなに絵が上手なら、大学に行かなくてもいいじゃない。書き続ければ」と言われたそうです。このアドバイスをした人は、アメリカ生活が長く、現地に帰化したような日本人の方だったそうです。言われた本人はさぞかし驚いたことと思います。
人は誰でも必ず秘められた何かを持っていると思います。それが何であるかを見つけるため、あるいは見つけるヒントを探すために、教育を受けるとは言えないでしょうか。好きなこと、興味のあることを継続して続けることはとても大切なことだと思います。特に、これからの世界を考えると、我慢をして、指示されたこと、あるいは決められたことを、「仕事」として行うことは、難しいのではないかと思います。また、そのために大学に行くのは、考え直す時期になっていると思います。なぜならば、我慢をしてでも、つぶしのきく学部に行って、手に入る人生そのものが、高度成長期の日本とは全く違っているからです。
ある留学生と進路の話をした時、ある程度名の通った大きな大学か、あるいはあまり有名ではない小さな大学かという話になりました。私は名前と大きさでなく、自分が心地よく学べるところ、すなわち規模が小さく、先生と生徒の関係が良好で、問題解決性に優れた学校がいいと提案をしたのですが、私の生徒は大きな大学がいいとの見解でした。理由を聞くと、社会人となった「先輩格の人のアドバイスが有名大学だったから」だそうです。
自分の好きなことがはっきりしていて、どのよう学習環境でも、好きなことを追求できるだけの集中力があるのであれば、生徒数が1万人を超える総合大学で学ぶことは有意義かもしれません。しかし、もし、あまり興味の持てる勉強がない、好きな分野がわからないのであれば、大学時代は徹底的に「読む、書く」を鍛えておくのが最善策と私は思います。
読むことでの発見はとても重要と思います。読むことを継続すれば、必ず自分の好きな世界、分野、人間などが見つかると思います。また、書くことは、社会に出た時に、人とのコミュニケーションの基本となります。しっかり書けなければ、結局困るのは自分です。
読むこと、書くことをしっかり身に着ける。好きなことは、この基礎訓練を行う中で探して行く、それがアメリカのリベラルアーツの考え方であると思います。基礎を身に着けていれば、好きなことへの応用と発展は自在に行えると思います。

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