◆スイスボーディングスクール Institut Auf Dem Rosenberg
スイスの北側、ドイツとの国境近くのSt. Gallenにあるこの学校は、生徒数の割には学校の敷地面積が少なく、メインキャンパスはいわゆるヨーロッパの個人の非常に大きな邸宅(マンション)を改造して作られたそうです。建物はきちんと維持、整備されていて、生徒人気のスナックバーは、シックで落ち着いたカウンターがあります。日本流にいえば、「粋」のエッセンスが感じられます。学校の基本データは下記のとおりです。
創立年:1889年
学年:小学・中学・高校
総生徒数:300名(通学生40名)
生徒の国籍:40か国
年間授業料(寮費、食費を含む):75000フラン
先生対生徒比:1:5
学習可能な外国語:英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語
高校終了資格:アメリカ高校卒業資格、イギリスGCE Aレベル、ドイツアビトゥーア
この学校はレマン湖のほとりにあるMonte Rosaという小規模のボーディングスクールと姉妹校で、学校経営は同じガデマンファミリーの兄弟です。いずれの学校もローズ(薔薇)という言葉が使われています。
スイスのボーディングスクールには大変珍しく、この学校にはIBプログラムがありません。入学難易度は、前述のCollege Du Lemanと同様にランク3で、日本からの留学生はアメリカディプロマ方式あるいは、イギリスGCSEおよびGCE Aレベル方式のいずれかを選択します。ESLサポートがあるので、英語力がなくても入学考査可能ですが、たとえば高1から入学するとすれば、英語力を補強するために1学年下げて中学3年生(9th grade)からの入学が理想的です。
この学校の理念(Philosophy)の項目を見ると、「生き方を学ぶことがすべての教育の目的である」とあります。それを具体的にするために、下記のことを学校教育で実践することが大切だとしています。
・問題解決力を養うこと
・学習課題をこなすこと
・社会と調和すること
・社会的適応力を高めること
さらに、「人生とは、自己を確立し、恒にあらたな目標に向かうこと」とあります。このような精神は、この学校の世界から生徒が集まっている環境だからこそ達成されるとしています。
「過去を尊重し、将来に向かう」というフレーズで結ばれているこの学校の理念のページは、スイスのインターナショナルスクールを象徴しているような考えが述べられていると思います。
ヨーロッパの只中で2つの大きな世界大戦を経験し、生き延びてきた学校の精神の重みを感じるキャンパスは、これからも世界から生徒を引き付け続けると思います。