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知識を活用する能力

<先日のブログに続きます>
言うまでもなく、ロミオとジュリエットは純粋な若者同士の愛が家の犠牲になるシェークスピアの戯曲ですが、このテーマへの興味を持ってほしいと先生は生徒に望みます。しかし、あくまでも先生が生徒に強制はできません。
その時代背景、作られた年、ロミオとジュリエットの家名などについて、知識を試すテストなどは、通常ボーディングスクールでは行われません。そのようなことを「知っていること」あるいは「覚えていること」に先生は教育的価値を認めてはいません。もちろん、試験に出るから覚えなさいということは、ボーディングスクールの先生の教育概念にはあり得ないことのように思います。
先生は熱心に愛とは何か、若さとは何か、もし君がロミオだったら、あるいはジュリエットだったらどうするかなど、生徒たちに問いかけます。一方的に問うわけではなく、生徒同士の議論も授業の大切な要素となっています。
知識は正解、不正解が明確になりますが、考え方やものの見方は正解、不正解ということになりません。いろいろな考え方やものの見方があって社会が成り立つわけですから、その原型となるような教育的体験がボーディングスクールの望む教育であるわけです。
ある留学生は、ボーディングスクールの文科系授業について、テーマとなっていることの年代や必須知識は、授業で繰り返して出てくるので自然と覚えてしまうと言っていました。
知識だけを無機的にひたすら覚え込むのは、生徒にとって、何の魅力もなく、興味を持てることではないと思いますが、恒に考えながら、必要に応じてデータを参照していれば、覚えることも苦痛ではなくなります。
留学生は議論や討論の多いボーディングスクールの授業に驚き、戸惑い、今まで彼らが受けてきた教育とは全く違う授業や評価方法に慣れるまで数か月はかかります。そして、それに慣れれば、自分のペースで確実に自分の教育実績を伸ばすことができます。
ボーディングスクールでは、そこで学ぶ生徒に対して、TOEFL対策、SSAT対策、そしてSAT対策にそれほど熱心ではありません。その理由は、それらのテスト勉強は、議論、討論、そして生徒の模索を必要としないからではないかと思います。すなわち、教材を基にして、生徒自身が取り組むべき種類の勉強であるから、生徒が責任をもって、時間を工面して行うべきだとボーディングスクールでは考えているように思います。
つづく

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