★中学高校生留学 日本の危機の本質2
<前日のブログに続きます>
レーガン大統領の時、アメリカ経済が双子の赤字をかかえることになりました。すなわち財政赤字と貿易・経常赤字です。この状態のまま、ブッシュ大統領にバトンタッチされ、98年に黒字になったものの2003年のアメリカ財政赤字は4500億ドルに達したそうです。それ以降改善が見られないまま、リーマンショックに至ります。
ヨーロッパでも、通貨がユーロに統一されて、当初の思惑通りに経済が進んでいるかと言えば、ギリシャ危機をはじめとして、いずれの国の経済状態も決して良くない状態です。
さて、このような経済の話と中学高校生留学との関連性ですが、私が視点としたいのは、第二次大戦後、世界をリードしてきた戦勝国のアメリカ、そしてヨーロッパの国々、さらには、敗戦の苦渋をなめながらも奇跡的な復興を遂げた日本、ドイツなどが、今、明らかに世界で経済的リーダーシップをとれなくなる中で、これから世界の若者、そして日本の若者の将来のために、どのような教育が最も彼らに適しているかということを考えることです。
先日、言及した水野隆徳さん、船井幸雄さんが世界の経済状況を知れば知るほど、無私を強調し、こころのあり方を重視され、そのために人として大切な生き方を教えるのが教育であると述べているのですが、どこでどうしたら人として大切な生き方を教えてくれる教育を得られるのでしょうか。
一言でいえば、人として大切な生き方を学ぶ教育とは、情報として与えられる教育では得られないと私は思います。
人の社会が後戻りすることは、とても考えにくいことです。科学や技術は絶対にと言っていいほど、より便利になり、結果的に豊かさを人は手に入れることができますが、あえて不便さを選択し、豊かさを放棄するというのは、人の自然ないとなみに反すると思います。しかし、この半世紀の人類の行動パターンは、それまでの人の歴史では考えられない状況をこの地球上につくりだしています。地球の温暖化にともなう異常気象、人口の爆発的増加、核開発の方向性、一向に止まない民族間の闘争、そのなかで、これからグローバルを担っていく子どもたちへの教育は、どうすべきなのかという選択肢を考えなければいけません。
できるのであれば、子どもたちにはすなおなこころで世界を見てもらいと思いますし、それを受け入れて、自分なりの生き方を探してほしいと思います。子どもたちには、小学生時代は親の愛情を十分に受けて、家庭というホームベースを中心に学ぶための基本を学習します。そして、中等教育については、世界のなかで自分のベストを選んでもらいたいと思います。それが、日本であっても、それ以外の国であっても良いと思います。大切なのは、教育を受ける本人が、活き活きとして、未知なものに対して、チャレンジできるということです。
(つづく)