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ボーディングスクールが生徒に望むこと ― 4 総合的な芸術作品

ボーディングスクールとは一種の総合芸術作品を創作する現場であると思います。すなわち、預かった子どもたちのこころを白紙にもどし、その上に新たな価値観を創造するという骨のおれる作業を熱心に、時間をかけてすすめるところです。そこは、知識に支配される平面的な世界ではなく、むしろ苦労や辛さも体験させられる立体的な学習の世界なのです。それゆえに喜びや感動も大きく、その先の高等教育機関への移行をしっかりとおこなう基礎を作るわけです。
ボーディングスクールではチャレンジという言葉が多用されます。学習、スポーツ、芸術、社会活動、なんでもチャレンジしなさいと学校は生徒を指導し、鼓舞し、生徒はそれに応えようと努力します。学習成績評価も、大小のテスト、授業参加度、宿題・課題完成度などの比率が明文化されています。学校からの要求に生徒がすべてに答えられるわけではありません。24時間、学校というキャンパスで過ごすわけですから、時に生徒たちは窮屈に感じることもあるでしょう。また、そこから、逃げ出したくなることもあるかもしれません。そのような生徒たちのこころ根までも洞察し、理解する人たちがキャンパスにたくさんいるのがボーディングスクールなのかもしれません。
校長先生は、殆どのボーディングスクールにおいて、キャンパス内の決められた家に家族で住むことになります。先生の家族は、週末やいろいろなイベントなどのときは大忙しになります。表彰された生徒、学校に功労があった生徒などを、我が家に招き、ディナーを共にするというのは、ボーディングスクールの文化にまでなっています。
ボーディングスクールでは、大量の生徒を受け入れて、彼らに大学に受かるための知識を授け、しかるのちに卒業させるという作業は行われていません。日本で言うところの担任の先生が受け持つ生徒は、ボーディングスクールにおいては5名から9名程度なのです。膨大な人件費がかかります。それでも、ボーディングスクール全体の奨学金給付率はなんと3割を超えます。留学生が奨学金を受けることは、初年度は難しいですが、次年度以降、真剣な努力をすれば、5000ドルくらいの授業料の減免された例は過去にありました。
ボーディングスクールには正科の体育がありません。そのかわりに授業が終わってからの競技用スポーツは必須となっています。スポーツは年に三回のシーズンがあり、同じスポーツを通年ですることはありません。それぞれのシーズンで違ったスポーツを体験することが生徒に義務づけられているといえます。
つづく

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