ニュージーランド留学 - 迷える青年の逡巡
たいへん便利な世の中です。私は今、アメリカペンシルバニア州の
小さな町の部屋数15余りの小さなホテルに滞在しています。
インターネットが私のノートパソコン(PC)につながっているので、
日本あるいは他の国の人たちと時差だけ考慮すれば自由にやり取りできます。
今までは、自分のPCをインターネットにつなげるのに、
パソコンの設定等、いくつかのステップが必ず必要だったのですが、
今回、空港でも、このように小さなホテルでも、パソコンを立ち上げたら、
ネットにつながっているという状況です。
渡航して二日目、昨日は13時間ほどの長いフライトの影響もあったようで、
夕食後、就寝して目覚めた時は夜が明けるころでした。
今日は、ワシントンDCまで2時間余りのドライブを経て、
同行のご家族と夕食を済ませた後、十時頃に寝たのですが、
午前一時に目が覚めました。
時差ぼけの始まりです。
海外出張の時はいつもこのパターンになります。
あと少し寝ようと思うのですが、一時間ほどメールチェックなどしていると、
ニュージーランドで半年が過ぎようとしている青年のスカイプが
オンになりました。彼とは先々週にお母さんの依頼で話しました。
近いうちにホストファミリーの件で話すことになっていたのですが、
そのタイミングが、アメリカ出張時に訪れました。
―調子はどう、元気にしてる
「それが、日本人と話してしまっているんですよ。特にランチタイムの時など、ESOL(留学生用英語クラス)ルームの周りやなかで、たむろしちゃうんですよ。地元の生徒たちからは、なぜエリア(同級生が集まる場所)に来ないのかといわれているんですけど・・・。地元の生徒の英語が解りづらいので、どうしても日本人同士かたまっちゃうんです」
―そう思っているなら、固まらずに現地の生徒たちと無理しても話せばいいのに
「いやー、それが難しいですよ。先生はオレたちを理解してわかりやすい英語で言ってくれるのでいいんですけど、キウイー(地元生徒の呼称)は、そんな気を使わないから、こっちが抵抗あるんですよ。滑舌は悪くないですけどね。
―それなら、キウイーと話せばいいのに・・・
青年は、現場で起こっていることを素直に私に語ってくれます。
もちろん、私と青年の会話には、彼からのはっきりとした質問がありません。
話し役、聞き役を交互に繰り返すというパターンなのですが、
彼の悩みが深刻ではなく、声に張りもあります。
そんな時、ホストマザーから彼が何か言われました。
会話を少し中断して、二人が話した内容とは、
今日、もう一人の下宿人が、屋外教育でマウンテンバイクの旅に
三泊で出かけているため、夕食はパイ(ミート)を温めて済ませるが、
良いかどうかを聞かれたとのことでした。
二週間前のホストファミリーをどうするか、彼の決断を聞く時のようです。
(つづく)