ニュージーランド留学 重大な規則違反 - 飲酒重大な規則違反 - 飲酒
飲酒、ドラッグ使用、暴力はアメリカのボーディングスクールであれば、一回で即退学の可能性も十分にある規則違反です。残念なことに飲酒という規則違反を犯してしまった生徒がいます。
重大な規則違反はメールによって学校からもたらされます。悪い知らせは、最初の文章を読めば察しがつきます。問題は処分の具体的な内容と今後の対策、そして本人への再犯防止です。
留学先がニュージーランドであったために飲酒の罰として、本人は三日間の謹慎処分となりました。現地の寮生であれば、寮を出て自宅謹慎ということになりますが、同じ寮生でも留学生は帰国謹慎とまではなりません。結局、地元の篤実家の日本人ファミリーに三日間引き取っていただくということになりました。
「退学にならなくてよかった」というのが親と私の共通した感想です。仕事でどうしても抜けられないお母さんに代わって、飲酒の事実確認とその経緯を聞くために私は謹慎先に連絡をしました。
電話口に出たご家庭の奥さんに丁重にお礼を述べ、本人に代わってもらいました。本人の沈んだ声とスローな言葉に「何を言われるのか」という予測できないことに対する本人の身構えと、ほんの少しですが反発のエネルギーを私は感じ取ります。
「いったい何考えているんだ。自分のやったこと反省しているか」などと、私は言いません。ことが起こってから、それを批判し、そののちに分析し、最後に自分で責任をとれという、いわば大人の「言いっぱなし」に対して子どもたちは、猛烈な反感を持ちます。そのような大人に対して、彼らは固く口を閉ざし、表面的な言葉でやり過ごし、ひたすら避けようとします。
大人都合でものを言い、指摘をし、「わかったか」というのは、教育ではないと私は思います。
「どうした、何があったんだ」と私は彼に質問しました。一瞬の沈黙に私は彼の「!」を感じました。いろいろと話を聞いてみると、かなりの生徒がこの事件に関与している様子です。学校からも、本人が酒を買ったのではないことは聞いていました。飲んだ事実は勿論、本人の責任ですが、周囲の状況を勘案し、初回ということもあって、学校も「寛大な」処分にしてくれたということがわかります。
私が本人に言ったことは、「親のお金を無駄にするな」ということです。学校のルール違反は、親子の間のルール違反でもあります。親は、子どものために一所懸命に働き、教育に投資しています。見返りを期待することなく、ただ、わが子が自力で人生を全うできるために、文句も言わず働いて、留学費用を捻出しています。留学を「飲酒」という行為で破棄してしまうのは、子どもの親に対する重大な約束不履行です。
親の愛情がわからない子どもはいません。親がどんな立場でどのようなことをしていたとしても、「留学」という事実は親が子どもに成し得たことで、子ども自身が自力でなしたことではありません。
学校の担当者は、本人のルール違反に対して、
He is a good boy, but he made a bad choice.と言いました。
この事件で、本人も目が覚めたことでしょう。「Bad choiceは今回だけ」といことで、一件落着となりました。二度目がないことを一番知っているのは、ルール違反をした本人であると私は信じています。