日曜コラム 英語の詩
今日紹介するのは、英語力がほぼゼロで今年の四月に渡航した生徒の詩です。
年齢は十二歳、日本の小学校を卒業しての渡航でした。
昨年の夏、お母さんとともに学校訪問をしました。
英語は話せなくても、満面の笑みで先生方と本人は「話して」いました。
コミュニケーション努力が私にはとても印象的でした。
渡航後四ヶ月がまたたくまに過ぎていきました。
本人は日本では、特別に英語力を付けるための訓練はしていませんでした。
その本人が英語で詩を書きました。
お母さんが私に送ってくれました。
掲載許可をいただきましたので、
本人の詩をご紹介したいと思います。
原文そのままで、私の手直し、加筆はまったくありません。
My dog
My dog Chocolat is as brown as a milk chocolate bar.
She is young and runs around the room like a racing car.
She is as excited as a child at a birthday party and
She rushes to the door.
Chocolat is as long as a stick of French bread
and her coat is long and shiny as silk.
I have three dogs, but Chocolat is my favorite.
I love it when she looks up at me and wags her tail.
She is special because she is part of my family.
Birthday
I look in the street
to tell when my birthday is near.
When maple trees are turning red
and autumn is here.
I listen at school
to tell when my birthday is near.
My friends are whispering
about the birthday secret they share.
I can tell when my birthday is here.
My sisters sing “Happy Birthday”.
At school there are presents from my friends.
At home a party where there will be
more presents and special food.
この詩を読んで、「すごいなあ」と思わずにはいられません。
私はこの詩を書いた生徒のチャレンジに感嘆し、
四ヶ月の学習的成長に拍手を惜しみなく送ります。
ほんとうは、チャレンジに対する感嘆のみではないのです。
英語力ゼロで渡航して四カ月間、どのように勉強すると、
「詩」が書けるほどに、英語力がつくのでしょうか。
本人は学校でどのように英語を教えてもらっているのでしょうか。
英語は本人にとって、コミュニケーションに欠くことのできない手段です。
文法、語法、スペリングなどはさておきます。
生活のために必要という観点から外国語を考えます。
すると、必要に応じて学ぶ、自分で学習を加速させる、
知識に対するリソース(資源)は授業のみではないことがわかります。
むしろ、英語知識は生活そのものからいくらでも学べると思います。
詩は、文字による簡潔な自己表現です。
表現して、自分の気持ちを伝えることがその目的と思います。
My dogはすんなりわかりましたが、Birthdayは?と思うこともありました。
しかし、何回か読み返すと、誕生日の光景がイメージできます。
十代の吸収力、順応性、適応力、応用力、そして意欲は
必要に応じていくらでも伸びる要素を持っていると私は思います。
そのように認識できることが、私の喜びであり、希望です。