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これからの教育2 - 安定の果てには・・・

<前日のブログに続きます>
日本での教育を選択した場合は、情報が豊富であり、どこでも手に入れることができますから、あとは本人がやるかやらないかという問題だけと思われがちです。しかし、やることの意義については、だれも深く問わない。それを深く考えている暇があれば、単語の一つも覚えたほうがましといった受験の競争に勝残るためには単純思考がいいのです。
私はこの問答無用の競争主義こそが、日本の教育の修正すべき第一の点であると思っています。国が貧しく、豊かさや便利さ、あるいは世界の国々に伍していくための発展途上として、国の総意としてそれが受け入れられる場合は、問答無用の教育目標も設定可能かもしれません。しかし、世界の先進国はみな、豊かさの中身を求めて教育が動揺してはないでしょうか。
日本の受験制度は七十年代からいろいろと変化してきましたが、制度をいじったところで、その基本的競争理念は変化していないわけですから、偏差値順にいい大学に入るという考え方の根本が変わるわけがありません。そして、大学に入ってしまえば、一二年この世の春を謳歌して、今度は就職競争という段階に突入していきます。日本では、競争に勝つために、自分を見つめるなどと悠長なことは言っていられないという考え方がまだ現場では、かなり通用しているのではないでしょうか。
私は、日本の受験生と呼ばれている若者たちが、問答無用の競争的価値観や、旧態依然とした偏差値至上主義の精神的痛手のつけを、生涯かかって払わされるような気がしてならないのです。
自分を見つめ、価値観の変革を自身の内側から起こしていくという作業にたどり着かないでいると、何のために勉強するのか、何のために仕事をするのか、さらには人生の意義といったものを探すことができずに、不本意なかたちでフリーターとなってしまっている人もたくさんいると思うのです。だから、コーチング、自己啓発といった「個」の内面に焦点をあてるプログラムが支持されるのではないでしょうか。
受験戦争は静かに、地味な形で着実に激化していくことでしょう。分母がどんどん減少して、日本の国際競争力がその分低下していけば、当然のことながら、雇用の機会も減ります。それを反映して、安定を求める若者が増えれば、公務員的仕事、絶対つぶれない種類の企業(電力会社でさえも、これからはわからない世の中ですが・・・)に入るための競争がさらに激化せざるを得ないでしょう。そして、問答無用の競争的価値観が結局幅をきかせる。
いったん、この流れをご破算にしないと日本の将来はどうなってしまうのかと心配している人、あるいはこのままでは日本は危ないと予測する人が増えて当然と私は思います。
つづく

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