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アメリカボーディングスクール 大学進学について5

<前日のブログに続きます>
先日のブログでご紹介したチェン氏は、有名大学への進学をBadalingシンドロームという比喩を使って説明します。Badaling(八達嶺)というのは、北京近郊の観光者向けの万里の長城見学スポットです。故ニクソン大統領、オバマ大統領なども訪問し、万里の長城と言えばBadalingという著名な場所だそうです。
チェン氏によると、ここに行った人々はほとんどが落胆して帰っているといいます。場所そのものに魅力がないからではありません。あまりにも有名で人が多すぎるのです。入口ゲートをくぐる前に、あまりにも多い観光バス、それよりも多い乗用車に迷い、チケット売り場、洗面所、休憩場所、レストランなどには長い人の列。
人ごみが楽しめる人、それをかき分けて進める人、そして自分専用の場所を確保できるような特権のある人はいいでしょうが、一般の人にとっては、疲れる場所だと、チェン氏は言います。万里の長城見学で有名なこの場所は、パンフレットで見るのと、行ってみるのでは、大違いの場所だというわけです。
チェン氏は、ハーバード、オックスフォード、ケンブリッジなど、USニュースやワールドレポートに掲載されている世界のトップ大学に進学することを目標にして、小さなときから教育を受けてきた人なのでしょう。そのために、おそらく小さなときからいろいろなものを犠牲にしてきたと思います。遊びたいのに我慢をする。食べたいのに我慢をする。知りたいのに、作りたいのに、我慢を強いられ、ただ世界ランキングの高い大学に入学するために勉強をしいられる。さて、そこに到達してみると、秀才たちの「人ごみ」のなかで、さらに迷わずに今度は就職を目指して、一心不乱に勉強することになります。
それができるほどに、したくもない勉強を競争の道具として楽しめる人にはいいでしょう。あるいは、競争しなくても、特別枠を使える方法、手段を持っている人はそれを利用するかもしれません。しかし、大多数の人は、頂点に達する前に疲れ切ってしまうというのが現実です。
チェン氏は89年、中国本土、自国事情の急変により、Laffayette Collegeという
リベラルアーツカレッジに入学しますが、この人生の番狂わせによって、彼は人の大きさを増したと思います。彼は言います、
「大学の評判はもちろん大切です。しかし、それにもまして大切なのは、あなたの選んだ大学がいかにして『次』をあなたに準備させるか、そのための教育を実践するかです。どのような場合でも、Badalingシンドロームに陥ってはいけません。すなわち、自分を見失って、評判だけを追ってはいけないのです。有名ではない大学のなかにも、あなたのベスト教育を演出してくれる特別な大学はたくさんあるのです。」
つづく

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