留学コンシェルジュ

日曜コラム 支えること、支えられること

故司馬遼太郎さんが小学生のために書き下ろしたエッセイがあります。
「人間の荘厳さ」、「二十一世紀に生きる君たちへ」、
「洪庵のたいまつ」の三部で構成されています。
司馬さんはそのなかで「社会はお互いが助け合うシステム」といい、
人は、「自然によって生かされている」ともいっています。
私は司馬さんの考え方が好きです。
助け合いのシステムや生かされているという意識のなかからは、
悪い意味での競争が生まれません。
そして、その社会での意識は常に感謝や謙虚さで満たされています。
司馬さんは、歴史が好きで、彼独特の切り口とその根拠を徹底して
調べ、研究し、豊かな想像力で私たちに語りかけてくれます。
自分がこころから好きなことを追求する、
私もそうありたいと思って仕事をしています。
私は七十九年から八十一年にかけて、サンフランシスコに留学しました。
その時に、いろいろな人から支えられたと思っています。
アメリカという異国の土地に、何らコネもなく、豊富な資金もない学生が、
留学して渡り、二年間楽しく過ごせたことに、感謝しています。
この仕事は、「二年間の留学体験を人に伝えたい」という気持ちで始めました。
その気持ちは、異文化にたいへんお世話になったということに、
変化していきました。
今、私は若い人たちの留学をお世話する立場にいます。
彼らを支えるのが私の仕事です。
では、どのようにして支えるかですが、それは、彼らが自分を支える力を
ひきだすことに他なりません。
そして、そのために子どもたちのお父さん、お母さんといろいろ話します。
何を話すかというと、それぞれの生徒にはどのようないいところがあって、
それが異文化のなかでどのように作用し、化学変化をも起こし、
伸びていくかということをテーマにして話をしています。
司馬さんは、「人間の荘厳さ」という題の原稿用紙一枚半くらいのエッセイで、
人間は鎖の一環として、その連鎖のなかで、常に希望や夢を持つことの
素晴らしさを示唆しています。
私も、自分の原点にある、
異文化に対する好奇心や海を越えていく勇気といったことを
これからの世代に伝えたいと思っています。
しかしながら、平坦な人生などあり得ません。
私たちはでこぼこな道や、アップダウンの繰り返しの道を
後戻りすることなく進み続けています。
若い人たちは、振り返る必要などなく、また休みを頻繁に取る必要もありません。
そのこころの姿勢が彼らの未来を決定するわけですが、
「どこをどう歩むか」ということが、いよいよ大切な時期に
日本はさしかかっていると思うのは、私だけではないと思います。
私は、それでも自分の道をいくと思う、
若者たちの精神に自分が支えられていると思っています。

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