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価値観を変えるということ 父親が語る敗戦直後のパラダイムシフト

海外に教育の場を求めてチャレンジすることは、それまでの自分の既成概念を覆し、新たな価値観を受け入れることだと思います。
八十年代のなかばにお世話をした十代の子どもたちの親は、日本が敗戦した時、中学あるいは高校生くらいの年齢でした。その世代のお父さんたちが、私に語ってくれた戦争体験には共通点があります。彼らは、感受性ゆたかな時代に、戦争教育を受け、無条件降伏を境にそれまで教えられたことが、百八十度転換し、「白」だったものが、一夜明けたら「黒」になっているというパラダイムシフトです。
生活物資が慢性的に欠乏し、食うや食わずの生活のなかで、精神の世界も陥没させられるような当時の社会だったと思います。鬼畜米英と言っていた人が、一夜明けたらその真逆のことを言うわけですから、当時の「若い人たち」は先生に対して、あるいは教育に対して、諦めにも似た気持ちを持たざるを得なかったと思います。あるいは、「なぜ」という疑問。その疑問を真正面に受けて、徹底的に議論し納得のいく解答を若い人たちに与えられた教育者がいたかどうか。すくなくとも私に語ってくれた、お父さんたちからは、そのような聖人のお話は聞かれませんでした。
強烈なインパクトのなかから私たちの数代前の人たちは立ちあがってきました。当時のお父さんたちから、生きていく価値観がドラスティックに変えられた若い時の原体験を聞きます。一夜にして、自分の今まで生きてきた「足場」を、外されるということがどんなものか、その想像を絶するような話に私はただ驚くばかりです。
あれから二十五年ほどが経ちました。あの当時お世話した子どもたちは、立派な社会人となり、私に戦争体験を語ったお父さんたちの多くの方は、お祖父さんになっています。
今の世の中には、当時のような強烈なインパクトを与えられる出来事も、社会を統制してしまうような偏った教育もありません。当時、「物」をもって世界を制覇し、資本主義を究極まで発展させたアメリカも、その成長は停滞しています。
アメリカに世話になりながら持前の勤勉さとまじめさでものを作り続け、世界から一目も二目も置かれる存在になった日本も、出口の見えない不景気にあえいでいます。今の若い人たちは、必死さがない、意欲がない、積極さがないなどと、かなり否定的な意見が蔓延しているようにも思いますが、私は、先進国が抱える悩みは、大なり小なり地球規模であると思っています。
国の教育の方向転換を待っていては、間に合いません。おかしいなと思ったら、納得いかないことを「しょうがない」で済ませないためにも、地球規模で教育が選択できる、私が目指すところは、一人ひとりの世界での教育選択の具体化にあると思っています。

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