留学カウンセラーのためのボーディングスクールセミナー 2 留学リスク
<二日のブログに続きます>
留学のデメリットについて、さらに話を進めていきたいと思います。「留学しなければよかった」という状況はコミュニケーション不足から生じると私は言いました。それは、話の一方的解釈、情報不足などから起こります。それを防ぐ一つの方法として、学校を訪問することが挙げられます。実際に学校を見て、現場の先生や生徒、そして授業や施設を見ることで、「話しが違う」という問題の多くが解決され、納得する留学に近づきます。
しかし、学校を訪問して物理的な状況がわかっても、実際に生活をしてみないことには、留学生活の辛さや喜びは認識できません。「行ってみなければわからない」というのも現実です。
留学におけるコンサルティングで大切なことは、留学希望の本人のやる気を引き出すことですが、実は留学そのものが大きな苦労と日本にいる時よりもかなりの努力が必要ということも同時に理解してもらわないといけません。一言でいえば、留学は「甘くない」ということですが、それでかたづけてしまっては、単なるお説教あるいはそれ以下です。
当然のことながら、子どもたちはなぜ甘くないのかを知りたがります。それをきちんと筋道を立てて説明するのが、コンサルタントの手腕ということになりますが、私は基本的に留学生のトラブル例を中心に話を進めていきます。それが、本人も親も知りたいことだと思うからです。私がわが子を留学させるとして、(させましたが)コンサルタントに相談した時、最も知りたいことは留学することのリスクであり、それを回避するための方法です。
私が今まで経験した「本当のこと」の一部を列挙してみます。
・日本で勉強していない生徒は留学しても勉強しない傾向がある
・ホームステイには当たりはずれがある
・自分から発信しなければ、先生も生徒も助けてはくれない
・留学すれば、英語は話せるようになるが、イコール英語で仕事ができることではない。
・自分から発信しなければ、自然に友だちができるということはない
・すべての先生が留学生を手取り足取り指導してくれるわけではない
・日本と比較すると食のメニューは単調で、おいしくない
・最初の一か月は英語でのコミュニケーションはゼロに近い
・日本式暗記学習のみでは、留学では太刀打ちできない
・英語圏では、日本に比べて、人々はいい加減、あまり人を気にしない
・暴力、言葉使い、インターネット不正使用、飲酒などは厳正に対処される
「それでも留学をしたいですか」というところから、私のコンサルティングはスタートするといってもいいと思います。